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徒然なるままに

昭和レトロ「京都有次」の炭火用・火鍋子(ホーコー鍋/しゃぶしゃぶ鍋)が火を噴く!

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京都有次の銅ホーコー鍋

レトロそのもの。京都有次のホーコー鍋。

昭和レトロな京都有次の銅製ホーコー鍋を紹介します。日本ではしゃぶしゃぶ鍋とも呼ばれたりしますが、元々は中国北京の火鍋で使う火鍋子(ホーコーツ)がオリジナルです。中央にえんとつが付いた変わった形をしています。

家庭で鍋料理を食すなら、温度管理が楽で、火事の心配が無用で、部屋の温度に影響のない、快適かつ安全なIHヒーターを使用するのが今時の主流ではないでしょうか。フランス製のストウブやル・クルーゼあたりでもセットして、食事をお洒落に演出し、インスタ映えを楽しんでいる方も多いことでしょう。

イワタニのガスボンベ+カセットコンロすら古臭く感じる現代に、この鍋はなんと炭火の専用マシンなのです(笑)。時代錯誤も甚だしいとはこの鍋のためにある言葉でしょう。発祥の地である北京の火鍋子も、由緒正しいお店では基本的に炭火用の鍋が使われるようですが、この有次の銅鍋も彼の地・中国大陸の伝統を正しく引き継いだ本物の「火鍋子・ホーコーツ」というわけです。

 

煙突から火ボウボウ? 煙がモクモク?

こちらの銅鍋は、炭を起こすところから始めないと食事にありつけない、という1点だけでも面倒臭さが頂点に達する鍋ですが、デメリットはそれだけに留まりません。自宅で使おうものならある意味で命がけとなります。なぜなら炭火は一酸化炭素中毒の危険があるからです。部屋の換気が必須の危険な鍋なのです。

寒い冬場に身体を温めたいから鍋料理を食べようというのに、部屋の窓を開け閉めをしなくてはならないおかげで、足元に冷たいか風がスーッと吹き抜けたりして、ホカホカ気分が台無しです。しかも炭火が元気よく起きるとエントツから火がボウボウ、煙がモクモク。相当気合を入れないと使う気すら起きない厄介なシロモノです。

そんな3重苦・4重苦の炭火専用ホーコー鍋ですが、趣というかエンターテイメント性は抜群です。インスタ映え?、はいはい、仏製ストウブ鍋なんて目じゃありませんよ。破壊力抜群です。何せ「えんとつ」から火を噴くわけですから。画像や動画をアップすれば話題を独り占めです。

ちなみに炭火で火や煙を吐くといってもほんのわずかのことですし、予めガスコンロの換気扇の下やベランダなどで火起こしをして、状態が落ち着いた炭を投下すればボウボウ・モクモクはしません。質の良い火持ちの良い炭を使えばかなり長い時間楽しめます。

 

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使い方は意外と簡単

ガスコンロかガスバーナーで炭を起こして、火が安定したら、エントツ部分に炭を入れるだけです。出汁はあらかじめ沸騰させておけば、直ぐにしゃぶしゃぶが食べ始められます。炭は手頃な大きさのものを5-6個入れたら十分です。鍋料理といえども強火で四六時中グツグツと沸騰させる必要はありません。

火加減の調整については、空気口に七輪のような調節窓が付いているわけではないので、基本的に放置プレイ。既述のとおり人数や食材の量や食事時間を考慮して、最初に予め炭の量を決めておきます。

 

輸入の安い炭は厳禁。国産のものを使おう。

ホームセンターでよく売っている一番安い海外製のマングローブ炭を使ったりすると燃焼時間が短く、クサイし、臭いが何日も残って最悪です。高価でなくてもよいので、ちゃんと国産の木炭を使います。食事後は煙突に蓋をして、下の空気口も布等で塞いでしまえば炭火は消えます。 

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北京の火鍋子が発祥。日本ではホーコー鍋、しゃぶしゃぶ鍋とも呼びます

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有次の刻印。職人さんが打ち出した鎚目の美しい銅鍋です

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蓋を取るとこんな感じです

炭火焼きの誘惑が最大の難関。七輪の手招きが…

炭火用・ホーコー鍋を楽しむ目の前には、大きく立ちはだかる壁があります。それは炭火焼きの誘惑です。炭をおこしていると、ついつい「七輪で肉焼いたほうが美味いよな」という気持ちがムクムクと沸いてきます。お肉+炭の直火、という最強コンボの誘惑が心をこれでもかと揺さぶります。その誘惑を振り払って辿り着くエントツファイヤーな世界こそが、レトロなホーコー鍋(火鍋子)の真髄です。