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徒然なるままに

スイス Spring (スプリング) のクリスタルを探せ。鍋・ソテーパンはどこだ!

お題「愛用しているもの」

無水調理できるスイス製の全面5層構造ステンレス・フライパン

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スイスのスプリング社のクリスタル・24cmソテーパンを愛用しています。
ピカピカに光り輝くステンレス製の5層構造フライパン(ソテーパン)です。
お持ちの方はわかると思いますが、蒸気が吹いたら蓋を滑るようにクルクルと回転させて無水調理・余熱調理のできるフライパンです。

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日本ではフィスラーやビタクラフトほどの知名度はなく馴染みの薄いブランドかもしれませんが、スプリング社の「クリスタル」シリーズは30年以上に渡って世界中でロングセールスが続いています。その名のとおり躯体はステンレスの鏡面ミラー仕上げになっており、両手鍋、片手鍋、ソースパンなどがラインナップされています。作りは外と内からステンレス鋼でアルミ合金3層コアを挟んだ全面5層構造です。

残念なことに現在は日本国内での正規代理店による輸入販売は終了しています。
そのため海外サイトから個人購入するか、未使用品在庫を国内で探すしかありません。以前はキッチン用品商社の最大手「中山福株式会社」がスプリング製品を扱っていました。一時期ウェッジウッドからWEDGWOOD by Spring Cristal(ウェッジウッド バイ スプリング クリスタル)という名で販売されていましたので、このシリーズの製品を手にしてファンになった方も多く、今でもスプリングの鍋を探している人は少なくないと思います。

 

今すぐ持って帰らないと気が済まない

実はこのフライパン、一瞥だけで即決即断、その場で即買いしました。
初見で全くの衝動買いです。
なんの予備知識もなく機能の考慮も一切なし。
出会った時に一目ぼれ。
我が家にいくつフライパンが転がってるんだ?の自問も無視。

とにかくこれは今すぐ持って帰らないと気が済まない!

その圧倒的な美しさに一発でやられたわけです。
シンプルさを極限まで突き詰めたデザイン。
強く放たれる18クロム鋼の眩い輝き。
一度持ってみたら、もう手から柄が離れません。

美しく、
眩しく、
無駄がなく、
デカく、
そして重い。

サイズ表示こそ24cmとなっていますが、本体側面が垂直に立ち上がっているソテーパンの形状なので底面積が広大。フチは汁垂れしない全面ノンドリップエッジ加工になっていて、若干外に広がって反っているため、真上から見ると28~30cmサイズのフライパン級。巨大ステーキも2枚いっぺんに「かかってこいやーッ」です。

重さもしっかりあります。蓋込みで1.6Kg。
そこへ食材が入りますから、正直なところ女性には少々やっかいな重さかもしれません。安価なテフロンフライパンに慣れている人だと、手にした瞬間にずっしりと重さが伝わってきます。ロッジのスキレットやMauvielの銅ソテーパンのようなモンスター級ではありませんが、重量感はフィスラーやWMFやクリステルなど鍋底の部分だけが多層になっている「なんちゃって」構造製品とは決定的に違います。

側面もしっかりの全面5層構造ですから、側面がペラペラのステンレスパンより重くなります。
強烈な存在感故に若干怯むほどでしたが、在庫はコレだけと言われ「す、すいません、これ包んで下さい」と即答していました。

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機能は至れり尽くせり 

購入後に分かったのですが、シンプルを極めた外観と相反して、機能の方はてんこ盛りの完全フル装備でした。

・本体とフタを蒸気で密着させるウォーターシール効果で無水調理が可
・肉類は無油調理が可
・全熱源に対応
・オーブンにそまま入れて調理
・食洗機も可
・熱伝導と保温性に優れる全面多層構造
・耐久性に優れ、錆にも強い


一番外側のピカピカ部分はステンレス18-0クロム鋼(SUS430)の鏡面仕上げ。18-0は18-8ステンレス(S304)よりやや耐食性で劣るものの18-8より熱伝導に優れます。また18-0は磁石がくっつく性質から電磁調理器IHヒーターには最適な素材です。

コアは熱伝導の良い全面3層アルミニウム。調理面となる内側には18-8ステンレス(S304)を使っていますので耐食性にも優れています。全熱源対応のステンレス製品としてはよく考え抜かれた理想的な多層構造です。厚みは2.4mm。

 

回って回って回って回~る♪

高さが6cmぐらいあるので麺類を茹でるのにも重宝します(満タン2.7L)。
茹で物では鍋を殆ど使わなくなりました。
面積が広いのでパスタ2人前ぐらいなら十分これでまかなえます。

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お湯が沸騰したらパスタを入れて蓋をします。
蒸気が出てきたら、蓋を本体の上でクルクルと回します。
すると、蓋がすべるように回ります。
(これをやるのが楽しくて何度もクルクルしてしまいます)
この動作で蓋と本体の間にウォーターシールを作って密封状態にしているわけです。
クルクルしたらすぐに火を止めて放置すれば余熱調理スタート。パスタの包装に書いてある茹で時間が過ぎたら蓋を空けるとあら不思議、パスタがしっかり茹であがってます。熱伝導が良いのでお湯はすぐに沸くし、沸騰したらすぐ火を消してしまうのでガス代も大幅カットできます。

 

ステンレスのフライパン。ごひりつく?こびりつかない?

メリットばかり書きましたがデメリットはないのだろうか。
ステンレス製は食材がべったりとこびりつく危険があります。
購入する際にはやはり一瞬頭をよぎりました。
が、実際のところ、正しく使えばそうでもありません。
ネットで調べればこびりつかない方法もわんさと出ています。
道理を理解して手順をルーティン化してしまえば、ステンレスのフライパンだって簡単に使いこなせるわけです。

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まずは、
中火でゆっくり予熱開始
水滴をたらし玉状になってコロコロ転がれば熱は完了
・油を多めに投入して底全体に広げます (油返し)
・余分な油をポットに戻してしっかり拭きとり、そのまま加熱します 
油膜から煙がうっすらと出始めたらすぐに火からおろし、
・一旦温度を下げるために濡れ布巾にフライパンを乗せてジューッ
 (食材によって10~30秒)
・再び調理のための油を少量入れて弱中火で20~30秒前後予熱したら調理開始

上記のように使い方をマスターすれば快適に使えます。
焼きそばのようにこびりつき必至の料理でさえツルツルとフライパンの上をすべらせて焼くことができます。

食材の温度も大切です。焼きそばや炒飯は電子レンジで麺やご飯を予め熱々にしておくことが張り付かせないコツです。フライパン本体の温度を冷ますジューッの秒数ですが、目玉焼きは20秒ぐらい→弱火で再加熱して調理開始。ホットケーキを焼くときは油は使わず予熱して30秒秒ぐらい冷ます→とろ火で調理開始。チャーハンの場合は、フライパン本体は熱くする反面、油温はあまり高くない状態で卵とご飯と油を混ぜたいので予熱後ジューッを10秒ぐらい→油投入して少し油の温度が上がったら卵投入。やきそばも10秒程度です。

上手にできるようになるとうれしいものです。ステーキ肉やハンバーグなどは油を一切入れなくても全然こびりつきません。デカイし重いし形状もサイズもが適していないけど、オムレツもそこそこ綺麗に作れます

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写真のようにチーズリゾットなんかしっとり作れます。

Spring社の製品は性能とデザインの両方が良くて魅力的です。
本体がステンレスのピカピカ系は「Clystal」シリーズ、
ヘアライン加工のマット系は「Brigade Premium」シリーズ、
「Culinox」という古くから続く高価な銅製のシリーズもあります。

そろそろ買い替えが必要な両手鍋があり、スプリングの鍋を物色したいのですが、日本で在庫を持っているお店はそう簡単に見つからないと思っています。近所のリサイクルショップで16cmの未使用片手鍋が売っているので、買おうかどうか悩んでます。
でも本当は20cmクラスの両手が欲しいので我慢しています。
故人曰く、果報は寝て待て、です。
いざとなれば海外のサイトからも買えますし。
Spring社は1946年創業で、海外サイトだと銅のビンテージ中古なんかも結構出回っているので、そんなものを検討するのも一手かもしれません。
もしSpringの鍋やパンを見つけたら買っておくと損はないですよ。
オススメいたします。