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パルミジャーノ・レッジャーノ祭がはじまる!

お題「ちょっとした贅沢」

f:id:mini-mill:20170330224626j:plainパルミジャーノ・レッジヤーノを大人買い!これぞプチ贅沢

 チーズの関税は29.8% そりゃちょっとした贅沢にもなります

お題のルーレットまわしたら「ちょっとした贅沢」が出たので、さっそくですが笑われるのを百も承知で書きましょう。

パルミジャーノ・レッジャーノ

恥ずかしながら貧乏人としてはたかが「チーズ」ぐらいで、そりゃもうプチ贅沢騒ぎです。イタリアのチーズ買うだけで罪悪感すら生まれます。我が辞書には「粉チーズ」という言葉は載っていても「パルミジャーノ・レッジャーノ」という言葉は載っていませんでしたから。

現在、日本における輸入チーズの関税率は29.8%。
なんてお高いんざましょ。欲しがりません勝つまでは。贅沢は敵なのです。
少し古い話になりますが、プロセスチーズは1990年まで輸入が自由化されていませんでした。既に自由化されていたナチュラルチーズにしても1993年のGATT(関税及び貿易に関する一般協定)ウルグアイラウンドによって2000年までは35%もの関税を掛けてました。この状況は今もさして変わりません。
国内の乳製品業界を保護するために、酪農家や企業の利益を維持するために、貧しい日本国民は今もって美味しいチーズを心ゆくまで食べられません(涙)。TPPで関税撤廃に期待していたのですがトランプが当選したおかげてご破算となりました。 

貧しきかな昭和チーズ・エレジー(哀歌)

昔はチーズの種類も限られたものしか目にしませんでした。
まずベビーチーズ。銀紙ペロペロ剥がして食べる奴です。
スティックタイプのQちゃんもありました。
それから箱に入った、自分で切って食べるヤツ。
冷蔵庫でしんしんと冷えて硬くなっている煉瓦のようなアイツです。

子供でも小さい包丁ぐらい使えるような年齢になると冷蔵庫の中を勝手に漁るようになります。そして見つけたチーズを台所で密かに切るわけです。カットしやすいようにビニールには赤いガイドラインの線が入っています。
しかし包丁を入れる前に何故か手が止るのです。
どうしよう…。
そう、残り具合を気にしながら薄く切ったり厚く切ったりしなければなりません。
ママに怒られないか、チーズの厚みごときで沈思黙考、逡巡しなければなりません。
昭和の家庭はなんて貧しいのでしょうか。
チーズフォンデュカルボナーラも存在しない時代です。モッツァレラなんて単語もありませんでした。昭和には「ツァ」とか「デュ」とか「ヴェ」とか無いのですから。
(でもBMWはベーエンベー、AMGはアーマーゲーと呼んだりしましたが何か)

 

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時代は変わる チーズの歴史は日本の文化の歴史

そんな貧しい昭和の世も、為替が固定相場から変動制となり、プラザ合意を経てバブル経済へと進む中で、国民の所得も増加していきます。これに合わせてチーズも多様化してより身近なものになったのでした。
まずチーズの消費そのものが増えました。
食パンに乗せる薄いスライスチーズが登場し、自分でカットする箱チーズは瞬く間に消えました。まるでラジオスターの悲劇の一節のようです。
ビディオ・キル・ザ・レーディオ・スター♪ 
もうママの顔色を気にする必要はありません。
おやつでこっそり食べてもよい量はスライス1枚、と企業側が勝手に決めてくれたのでした、余計なお世話を有難う。でもその頃になるとプロセスチーズは好き勝手に食べてもよいチーズに成り下がっていたのです。そう、時代はすごい勢いで流れていました。

勝手に食べたら怒られるチーズは、他のチーズにその座を奪われました。
アメリカ発のフィラデルフィアクリームチーズなるものが登場したのです。
そして日本の家庭で突如レアチーズケーキ作りが大流行します。
我が家もご多分に漏れず、母と姉の合作を食わされる羽目になりました。
ゼラチンがダマになったできそこないではありましたが、とにかく美味しい。
白くて美しいクリームチーズケーキ。
世の男どもがついに白いチーズの存在を知るに至ったのです。

それまでは洋モノといったらアニメ「アルプスの少女ハイジ」の穴あきの黄色い丸いチーズしか知りません。それとて二次元、ブラウン管の中だけの話です。文化果てる極東の地に住む黄色人種はチーズさえも黄色でなければならないと錯覚していました。
ボーイ・ミーツ・クリームチーズ
それはPLAYBOY誌で青い目のパツキン外人の裸を直に見るようなものでした。
ファラ・フォーセット最高!と精神が錯乱してしまう70年代後半のことでした。

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日本輸入チーズ普及協会


時代の流れは更に加速し、足早に変化していきました。
国民の所得もどんどん増えていき、日本は豊かになっていきました。
毎朝「おはよう720」でビューティフルサンデーを聞きながら、大陸横断キャラバンでヨーロッパの暮らしぶりを知る必要はなくなりました。グラハムカーの「世界の料理ショー」を、指をくわえて見る休日の朝も消え去りました。
時は80年代。気が付くと日本はロックフェラーセンターまで買い漁るような成金ブタ野郎になっていたのです。

バブル万歳!

もうチーズをカットするときの厚さなんか気にしません。
頭からガブカブかじればよいのです。
マリーアントワネットさながらです。
パンがないならケーキを食べればよいのです。
チーズなんか本場である現地フランスやスイスやイタリアへ行って食べればよいのです。誰もが気軽に海外旅行へ行く大航海時代の到来です。
「グルメ王に俺はなる」。
ピザは、シェーキーズの食べ放題から宅配時代へと移り、ピッツァへと名前を変えました。スパゲッティはパスタと呼ばれるようになりました。
そうなると日本製のチーズなんて誰も口にすらしなくなります。
ボジョレーヌーボーを飲んで朝まで騒ぎ、スイスから送られてくる本物のアルプスの少女ハイジチーズや、フランス産の白カビ・青カビのチーズを思う存分食べられる時代が到来しました。
やったーっ! さよなら貧乏!

そして…。
あの喧騒からさらに二十数年の時が経ちました。あの時代の贅沢さえも今や記憶の彼方、遠い昔話です。
では、現代の日本はいったいどうなったのでしょうか。
喜ばしいことにチーズは日本の食文化に更に深く浸透しました。今やどんな街にも石窯でナポリピッツァを焼くイタ飯屋がある時代です。ど田舎のハナタレ小僧でさえも4種チーズのクワトロフォルマッジを当たり前のように食らう世界になったのです。2017年の日本はバブル華やかし1990年と比較して、なんとその2倍以上のチーズを消費するという、さらなる飽食の時代になりました。

パルミジャーノ・レッジャーノ祭りだ

しかし、どんなに日本が豊かになろうと、いくら時代が移り変わろうと、山のごとく動かない価値を持つチーズがあります。
イタリア語でパルミジャーノ・レッジャーノ
特定の場所で、特定の方法で製造され、専門の検査官が行う審査の下、厳しいレギュレーションをパスしたチーズにだけ、その称号が与えられます。日本でいえば松坂牛とか大間のマグロとか氷見の寒ブリとかに似ていますが、ブランド食品の規格としては遥かに厳しいかもしれません。
手間暇かけて作られるので当然販売価格も高くなります。日本では更に無慈悲な関税がCIF価格に対して適用されています。「Cost(現地価格)」と「Insurance(保険料)」と「Freight(運賃/チーズは空輸で高い)」に関税29.8%。そりゃお高くもなります。パルミジャーノ・レッジャーノを買うというのは、まだ貧しかった頃の、あの昭和の日本に先祖がえりするようなものなのです。ぐぬぬぬぬ。

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Parmigiano Reggiano | The P.d.o. | Parmigiano Reggiano in Figures

大人になっても、平成の世になっても、21世紀になっても、自分が相変わらず貧しいままなのは、ある意味パルミジャーノ・レッジャーノ的に不変なわけですが、このチーズがセールで少し割安になっていると「よーし」と盛り上がり、見境なく大人買いするのには、そんなこんなの時代の変遷という背景があるからなのです。新年の初売りで福袋を前にしてあれこれ思案するような「せっかくだから買っておけよ」的なお祭り感覚があったりします。

スーパーのチーズ売り場へ行くといつも決まった所作があります。
プロセスチーズ系無視、チェダー無視、ゴーダ無視、モッツァレラはチラ見(どうしよう)、ゴルゴンゾーラ目視(おいしそう)、そしてパルメジャーノは必ず手に持って値段確認。
おっ、安くなっているじゃん! 
例え4000円のA5和牛は買わなくてもコイツは買わなきゃならん。
こうなりゃチーズフェスタを開催だ!

カルボナーラとチーズリゾットで祭りを祝う

で、なぜチーズごときでこんなに嬉しいのかといえば、それは単にこのチーズが美味しいからなのですが、もっと具体的に言えば、このチーズを惜しげもなく使った大好きなメニューを作ることができるからなのです。今回は150gの真空パックを5つ、計750g買いました。これだけあれば濃厚なこいつをしばらくの間、楽しむことができます。
さぁ、ご覧ください!

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はい、カルボナーラですw。好きですよねこれ、貴方もw
本来は塩味の強いペコリーノ・ロマーノを使うそうですが当然ながらパルミジャーノ・レッジャーノでも構いません。そっちの方が高貴です。
はい?写真のパスタ、なんか汁気が足りない? 
そう、ボッテボテの超濃厚カルボにしてあります。食べづらいぐらいボテホデのコテコテ仕様です。写真じゃ伝わらないのが残念です。岩塩をガリッと挽いてチーズの濃厚さに負けない味付けにしています。コレを食べる昼下がりは至福のひと時です。

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チーズグレーターなんてお洒落なものはありません。大根の卸し金でゴリゴリとやります。日本の伝統芸なめたらいかんぜよ! このきめの細かさを見よ。
チーズは最低でも30gは使っちゃいましょう。この写真は35gぐらいあります。出来上がったパスタにもフリフリしちゃいますから。750gも買ったんだから大船に乗った気分です。ローマ法王だってこんな贅沢しないですよ。

f:id:mini-mill:20170331111955j:plainグアンチャーレなんて無いので厚切ベーコン。オリーブオイルで炒めます。油出しと香りのためにEVオイルは必要です。油と汁が十分出たら、にんにく入れて香り付けします。

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ボウルにはパルミジャーノ・レッジャーノと胡椒と卵黄1個と生クリーム20mlを準備。冷蔵庫にあるナチュラルチーズもついでに入れてしまえっ。

f:id:mini-mill:20170331112639j:plainゆであがったパスタはさっきのベーコン・にんにく油と一緒にフライパンで軽く炒め、乳化させます。つまり油と茹で汁を混ぜ混ぜして一体化させるわけです。そのあとボウルへ投下して、手早くグルグルまぜまして塩加減るお皿に盛ったら最後に胡椒をガッツリ振って出来上がりです。

パルミジャーノ・レッジャーノがあればチーズリゾットも楽しめます。
サフラン(なければターメリック)で色付けして作ればミラノ風チーズリゾット、リゾット・アッラ・ミラネーゼの出来上がりです。牛肉のワイン煮込みと一緒に食べたり、魚介類乗せて食べたり、ベーコンやソーセージ焼いて乗せたり…。

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リゾット ミラネーゼ Risotto alla Milanese
材料1~2人前
・米  100g
・玉ねぎのみじん切り 1/4個
・白ワイン 50cc
・ブイヨン(コンソメ)スープ  700cc
サフランまたはターメリック 色付け
・パルメジャーノチーズ 25g
・バター 40g
手鍋に、バター入れて玉ねぎ炒め、づきに米を洗わずに投入し炒め、ターメリック入れて香り出して、ブイヨンスープ450ml入れて煮る。水分が減ってきたら再び250ml追加して煮る。米の頃合い見て仕上がってきたらチーズ投入してすぐ火を止めてかき回して完成。

どうですか。
以上、私のプチ贅沢。
パルミジャーノレッジャーノ1kgだと5000円位ですから高級和牛ステーキ肉を買うぐらいの値段はします。たかがチーズですけれどされどチーズです。たまにはチーズがっつりの食事はどうですか?そういえばこんな動画があります。ぜひご堪能ください。
 

www.youtube.com