My house, my rules !

徒然なるままに

海原雄山「カレーとはなにか?」に答える!それは我が家のめっちゃ辛いカレーだと

お題「我が家のカレー」

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カレーとは何か。

お題を利用して我が家のカレーを紹介する前に…、
これを読む方に問わねばなるまい(雄山風にw)。
かつて海原雄山が問うている。

「カレーとは何か」。

雄山は、とある店主がスパイスを独自にブレンドして作っている人気カレー店に出向き、その店の一番旨いカレーを求めます。雄山はそれを食しながら、店主に対してストレートに問いただします。
「これは本物のカレーか?」と。
「カレーとは何か?」と。
この件を発端にして毎度おなじみ、海原雄山VS山岡士郎(+店主)の対決が勃発します。

このカレー対決で、雄山は一見すると何の変哲もないポークカレーで士郎との戦いに応戦します。ところが雄山のカレーを食した審査員たちは、一様に雄山のカレーの香りの素晴らしさに驚愕します。雄山は肉に下味専用のスパイスをすり込み、それを下ごしらえで蒸し上げていました。また、またその肉に合うよう調合した専用スパイスを使いカレーをつくり、肉を煮込んでいました。

口に運ぶとカレーのスパイス。肉を食べると肉の下味のスパイス。
更には隠し味にインド本場で使われるアムチュールという酸味の効いたマンゴーのスパイスも利用していました。

 

スパイス+スパイス+スパイスという「香りの多重構造」

士郎たちのチームは、具に炭火焼きの蟹を使い、これを飯の上に乗せ、隠し味に鰹節を使ったカレーを出しました。両者のカレーの試食が終わると、雄山は士郎たちの料理を一喝し、カレーの真髄について問いただします。


「カレーの真髄とは何か?
材料に変わったものを使うことか?
肉の代りに蟹を使うことなのか?
そうではあるまい。カレーの真髄はスパイスだ、いかにスパイスと食材を取り合わせるか、それがカレーの真髄だ。味と香りを重層的に構築するのがカレーの真髄だ」と。

インド発祥の多種スパイスを用いた煮込み料理の総称

勝負は審査員たちのお情けで引き分けになりますが実態は完敗どころかボロ負け。
海原雄山からカレーについて四の五の言われっぱなしの士郎達でした。

「カレーとは何か?」

その神髄がスパイスを重層的に使って食材を活かすことにあることが理解できていなかった士郎は、雄山の問いにも当然答えられませんでした。しかし2017年の現代社会に生きる我々は士郎達とは違います。わりと多くの日本人が的確に「カレーとは何か」について答えることができるでしょう。

カレーとは何か?
カレーとは、インドおよびその周辺が発祥となる多種スパイスを使った煮込み料理の総称を、元宗主国イギリスが英語で「Curry」と呼んだのが始まりです。そのカレーを簡単に作るためカレー粉なるごちゃまぜスパイスを作り、それが世界に伝播していったもので、これをカタカナで日本風に発音したものが「カレー」です。

ここら辺の基礎知識は何らかの機会に見聞して漠然と理解したり推察している人が多いと思います。なんのことはありません。英国が植民地のローカルフードを勝手にカレーと名前付け、それが世界に広まったただけなのです。だから本場インドにはカレーという個有名称の料理はありません。プラウンマサラ、サグチキン、キーママタールetc…があるだけ。イタリアにパスタという名の固有の料理はなく、カルボナーラとかペペロンチーノとかラザニアとかの名前があるのと同様です。

カレーとは我が家のカレー

日本では北海道開墾という時代背景と、そこで生産された野菜(玉ねぎ/人参/じゃがいも)を利用することで独自に進化していったものとだということも周知の事実です。普及のきっかけについても、陸海軍が積極的に取り入れ、兵士たちがそれぞれの家庭でカレーを作ったり家族に教えたため、全国に広まったこともよく知られています。

インドを源流とする「スパイスを使った煮込み料理」の総称がカレー。
逆説的に言えばスパイス使って煮込むならなんでもカレーたりえるわけです。
赤・黄色・茶・黒・白・緑…。色なんて何色でもOKです。
スパイスを調合して作った「カレー粉」や「カレールー」を利用するのもカレーと呼んで差支えありません。インド、ネパール、パキスタンスリランカインドネシアバングラディッシュ、タイ、フィリピン、ベトナムミャンマー、英国、欧州、日本、韓国、中国、アメリカ…。本場のインド料理もカレーなら、各国オリジナルもカレーです。貴方の家のカレーも、我が家のカレーも全てカレーということなのです。

平成の世を生きる我々は、海原雄山に向かって堂々と答えます。
・・カレーとは何か?・・
それは我が家のめっちゃ辛いカレーだと。
駅の立ち食い蕎麦屋で今さっき食った黄色くて安くて不味いヤツだと。
昨晩かあちゃんが作ったけど残ったので、今朝も無理やり食わされたものだと。

基本スパイスはこれ!

インドで多用されるスパイス使って煮込み料理を作ればそれはカレー。確かにそうですがやはり基本となるスパイスがあるかと思います。で、簡易的にまとめてみます。一般的には以下のものが使われると思います。整理するとこんな感じですかね。

色味:
 ターメリック
 サフラン
 パプリカ

香味:
 クミン◎
 コリアンダー
 グローブ
 カルダモン
 月桂樹・ベイリーフ
 シナモン
 ナツメグ
 フェネグリーク
 (※ガラムマサラ)△
 (※オールスパイス)

辛味:
 カイエンペッパー(唐辛子・チリペッパー)◎
 胡椒◎
 塩◎


最低限のスパイスとしては「◎」のついたものがあればどうにかインド風なカレーができます。実際には△があればさらに良いでしょう。好きなものを好きなだけ入れて作ればよいかと思います。好みの味をつくればOKなのですから。このほか仕上げとしてガラムマサラ振ったりする人が多いです(香辛料を色々とブレンドしたカレーの源流的な総合スパイス)。1つ1つスパイス使うのが面倒だからターメリック、カイエンペッパー、ガラムマサラで作ってしまうカレーだって有りだと思います。いずれにせよスパイスに、こんにく・しょうが・塩・バター・ヨーグルト・生クリーム等が、一緒に混ざるなり下味や隠し味で使われるなりして、炒め焼かれ煮込まれてカレーになっていきます。

でもスパイス1つ1つ買ったり、量を調合するのは面倒くさいですよね。もっと手軽に作りたいですよね。だって簡単なヤツは具と水とカレーのルーで出来てしまうのですから。だから一般家庭ではルーやフレークを使ったり、スパイスが既に調合されたカレー粉で作るわけです。

私は1つ1つ個別にスパイス混ぜてつくる本格的なスパイスカレーが好きですし、バターチキンクリームやチキンティッカマサラのようなものをよく作ります。それでもたまにヨーグルトとスパイスを混ぜたものに肉を何時間もマリネして造り込みするのが面倒だなと思う時があります。ですからカレー粉+アルファで簡単に作りたくなる時もあります。その場合はキッチンにあるものを隠し味で追加して魔改造カレーを楽しみます。

 では衝撃?の我が家のカレーを紹介します。

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我が家のカレーの具の定番は鶏肉。
これが一番使用頻度が高いです。豚肉はほとんど使いません。
牛肉はどうしてもビーフシチューにしてしまいますから出番なし。

さて、ここでカレーについて1つお伝えすることがあります。
私は昔インドを約3か月、パキスタンを1カ月ほど旅して、それこそ毎日毎日・朝昼晩、さまざまな地方でカレーやビリヤニを食い倒してきた経験があります。
カレーが好きで国内でも機会があればインド料理店に足を向けます。
家でも月に3度はカレーを作ります。コンビニのカレーも、カレーパンも、蕎麦屋のカレー南蛮も、日清カップヌードルカレー味もよく食べます。そんな吉田栄作よろしく「無類の」カレー好きな私が、まず最初に美味しいカレーの最大のポイントをお伝えしたいと思います。
我が家のカレーの特徴でもあります。

カレーで煮込む具は1種だけ


良い子の皆さんは復唱しまして覚えましょう。
せーの♪


カレーで煮込む具は1種だけ


はい良くできました。
具は肉だけしか入っていないカレー。
それが美味しいカレーであり、我が家のカレーなのです。
我が家では野菜(ジャガイモやニンジン)を入れて煮込みません。
ジャガイモとか絶対禁止ですw。
野菜ゴロゴロ派の皆様御免なさいまし。
肉とジャガイモやニンジンを一緒に煮込むという調理過程は存在しません。

肉とスパイス以外で鍋にインが許されるものは、汁(ペースト)のべースになる玉ねぎ&トマト缶、にんにく、しょうが、赤唐辛子、オイル、各種隠し味(ナッツペーストやメイプルシロップ等)のみです。これらは具ではありませんのでカウントはしません。仕上がりの基本な構成は「カレーの汁」と「具(鶏肉)1種」のみです。
カレーに野菜を色々と入れて作るのは我が家ではナシです。

お味噌汁に、野菜をごろごろとあれやこれや入れない、という感覚と一緒です。
スパイスを楽しむカレーに野菜をごろごろは向かないと考えるわけです。

雛はいつか巣立ち巡礼の旅へ

私の母は昔ながらの家庭的なカレーを作っていて、それを食べて育ちました。
ルーで作る肉+野菜ゴロゴロの日本カレーです。でも中学に通い始める頃にはジャガイモは抜いてくれとリクエストするようになったり、ひき肉だけのカレーを作ってくれと言ったりするようになりました。

その歳頃になると味覚がより発達し、料理の「味」への理解度が深まり、カレーの汁の濁り感や、市販ルーの風味(辛味や香り等)の足りなさがわかってくるわけです。仲間と徒党を組んで繁華街へ出かけ、専門のカレー屋へ出入りするようになると更に違いが分かってきます。人は成長と共に強い刺激を求めはじめます。そうなると母親のつくる凡庸な日本の家庭的なカレーを美味しく食べられなくなっていきます。

母親カレーに野菜がゴロゴロしているのは母の愛だと思います。
子供の健康を願う愛情です。体に良い「野菜」をたくさん食べてほしい。肉だけに偏らずバランスよい食事をさせたい。そんな思いが日本の母親カレーの結実だと思います。
これについては一切否定しません。
でも子供というのはいつしか母親の元を離れ自立していきます。
そして真のカレーを求める巡礼の旅へと旅立つのです。
それが人生であり人の定めなのですw。

単純ゆえに妥協できる隙がない、シンプルなカレーのススメ

話は戻りますが、カレーはシンプルに作るとスパイスの風味がはっきりとし、香りも高まってきます。と同時に出来上がった料理の問題点がくっきりと浮かび上がったりもします。シンプルだからこそ誤魔化しがきかない。野菜から出る旨みで云々といった妥協できる隙が一切ないわけです。

例えば「鱧の吸い物」という料理があります。そこには野菜がごろごろ入ってはいません。椀の中に鱧だけ。飾り(香り・見映え・色のアクセント)として三つ葉(or 木の芽)が浮く程度です。出汁も極めて薄味で繊細です。
シンプル・イズ・ベスト。
突き詰めていくとそこへ回帰します。

興味のある方は、ぜひ具が1種類の肉だけのカレーを作ってみてください。
シンプルだからこその良さやMyカレーの問題点などが見えてきます。

野菜の具の足し算ではなく、スパイスの足し算。

インドでも美味しいカレーと不味いカレーがあります。
スパイスの香りが際立つものほど美味しかったです。
その場合、具材はシンプルで1つしか入っていないものが大半でした。

海原雄山の言うとおりカレーの真髄はスパイスです。
インドでも、あれこれ入った具沢山のカレーは今一つで不味く感じました。
一方で具が単品のカレーは何処で食べても美味しく感じられました。

日本でもインド料理のレストランへ行くと下のように料理がサーブされませんか?
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シンプルな単品具材のカレーが2、3種類ほど出てきます。
具材を沢山入れてひとまとめにするカレーはあまり見かけません。

無論私だってカレーを食べる時に野菜も一緒に食べたいです。
だから焼いたもの・炒めた物を別途トッピング式で乗せたり、サラダとして食しています。これなら野菜本来の味も楽しめます。

ちなみに野菜を楽しみたい野菜カレーや豆類のカレー(ダール)を作るときは肉を入れてはダメと言えます。

食材は以下のとおり。日本的な魔改造・辛いカレー

では、我が家のカレー(魔改造ver)を。さっそく完成写真からどうぞ。 

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具は肉1種。これはチキンを煮込みました。
野菜が盛り付けてありますが、鋳鉄スキレットで無水調理して炒めた物をカレーの上にポン置きしただけです。卵も別煮のトッピングです。
あくまでカレーとして煮込む具材は鶏肉の1種のみで作ってあります。
赤唐辛子12本入っためっちゃ辛いカレーです。


鶏肉以外で使ったものは以下のものです。
まずはカレー粉。いろいろ使いましたが「インディアンカレー」、結構これが好きでイチオシです。国内で良く見かけるインド料理屋のカレーの香りが出ます。日本人好みのカレー風味が欲しい時にはSBの赤缶を少し使います。7対3ぐらいだとローラのようなハーフ美人なカレーが出来上がります。しかしこれ以上の比率はお勧めはしません。赤缶は塩と一緒にカレーチャーハン作ったりソーセージにかけて炒めたりカレーラーメン作ったりするのが本分かなと思います。

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野菜は玉ねぎ(大)が1個あればOKです。にんじんはトッピング扱いで後乗せです。

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玉ねぎは黒茶色になるまで30~40分炒める人がいますが不要です。炒めるほど甘さがでると思ったらら大間違い。10分炒めても30分炒めても実は糖度は変わりません。
ここでお勉強タイム。

玉ねぎは長い時間炒めたからといって糖度は変わらないし上がらない。

もともと玉ねぎは糖分を持っていますが、生だと辛み成分が勝ってしまい強く感じてしまう。だから熱を加えて辛味を消すわけです。その一方で玉ねぎ自体が糖分を追加で生み出すわけではありません。もとからあった甘みだけが残るだけなのです。ですから色が多少ついてきたらOKです。黒いこげ茶色のペーストになるまで炒めるより少し玉ねぎ感を残したほうがカレーには合うかなと思います。15-20分程度を目安に。
※ミートソースづくりの場合はこげ茶色ペーストにしたほうが好きです。


私も多くの人と同じで、肉の漬け込みに、赤唐辛子・にんにく・しょうが・ヨーグルトなど使います。隠し味に魔改造でココアも入れたりしちゃいます。魔改造カレーは「遊び心」が大切です。いろいろと試して見ましょう。

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そしてバター、生クリーム、ローリエ、メイプルシロップ(orはちみつ)。カシューナッツをペストにして入れる時もあります。ナツメグは肉の下味によく使います。結構家庭にある確率が高いスパイスですよね。ココナツミルクは250mlパックが売っていたりします。コンソメもスープにして使います。

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ココナツミルクが無い時は白だしの吸い物汁を代用。昭和派の人は隠し味にウスターソースもありかな、です。

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私の場合ココナツミルクは必須になっています。甘みと香りが出てるから好きです。うちのカレーは赤唐辛子を沢山いれるのでその反動で甘い香りも出します。トマト缶と水1カップぐらい入れるところを、水の代わりにココナツミルクを使います。無い時は白だしの吸い物を使います。以前白だしの吸い物が残っていたので入れたら美味しかったのでたまにやります。コンソメスープも必須になっています。やはり万能選手です。ウスターは最後の隠し味に使う場合があります。高度成長期の昭和的な日本カレーならではの隠し味にはコレが効きますwww。

それからスパイスやカレー粉で作ると、ついつい忘れがちなのが「塩」。
肉の下味で塩をしっかり振っているなら不要ですが、意外とこれが足りなくて味が決まらない人も多いと思います。とにかく仕上げの確認で味見を忘れずに。何か足りないと思ったら、九分九厘「塩」です。

そして留めはコレです。

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ティースプーンで軽目を1さじ。バリッとした辛みが立ちます。お好みでどうぞ。我が家では赤唐辛子をたくさん使ってカレーを作りますので十分辛いカレーになっていますが、これ追加するとさらにグッときます。

作り方は簡単。18~20cm片手鍋が1個あれば調理出来ます。

1) 肉の準備

鶏肉(もも肉なら)700gに塩と胡椒(ホールをガリガリ挽くヤツか粗挽きコショー)とニンニクと生姜とカレー粉を振りかけてしっかりモミ込む。カレー粉は小さじ3杯ぐらいをサササとかける。インディアンカレー2:SB赤缶1が良い感じ。ハンバーグをよく作る人ならナツメグとか持ってませんか?。もしあればカレーに合うのでモミ込みするときに一緒に適量投入してみてください。辛いのが好きな人はチリペッパーも。スパイスをモミ込んだら10分ぐらい肉を寝かせなじませます。

その後ヨーグルトかけて軽くグチャ混ぜします。
ヨーグルトはレンゲで軽く2~3回すくってエイッとぶっかける感じです。肉にまんべんなくまぶしましょう。そして2時間ほど寝かせます。肉は大き目のざく切りです。それからヨーグル肉は1日とか長い時間寝かせ過ぎないこと。柔らかくなりすぎでかえってダメ。ちなみにパプリカとレモン汁を追加して焼けばチキンティッカです。

まとめ1
・鶏肉700グラム用意
・塩、胡椒、カレー粉、ニンニク、生姜、ナツメグ (辛いの好きならチリペッパーも)
・モミ込みして10分寝かす
・ヨーグルト投入して2時間寝かす

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写真は塩・コショウ・ナツメグ・カレー粉・ニンニク・生姜・ヨーグルトをまぶした鶏肉

 

2) ソース(汁)の元を作る

家に転がっている片手鍋にオリーブオイルをぐるぐるっと3巻き投入。
量は適当です。火力は弱中火キープ。
そこへ玉ねぎみじん切り1個半分を投入し、そのまま15-20分程度炒めます。それを一旦鍋から取り出して、次に微塵切りしたニンニク1かけら、赤唐辛子の輪切り(我が家では12本ぐらいガツンと)、しょうが(チューブで5~6センチ程度にゅ~っと) を投入。赤唐辛子は中に入っているタネも辛味が出るから、もったいないので入れましょう。続いて「インディアンカレー」のカレー粉をレンゲで1杯程度(大さじ2杯ぐらい)をドバッと投入してさらに1分ぐらい香り出しで炒めます。他に追加したいスパイスがあればここら辺で一緒にどうぞ。鍋にいためたタマネギを戻してペースト状のベースを作ります。

まとめ2
・鍋にオリーブオイル
・玉ねぎみじん切りを投入して世を中火で15-20分炒めて取り出す。
・再びオリーブオイル入れて、にんにく、しょうが、赤唐辛子を投入し軽く炒める。
・温度は低めでニンニクの香りををオイルに移す
・生姜と唐辛子は焦げやすいのでニンニク炒め後に入れて辛さをオイルに移す
・カレー粉入れて炒め香り出しする。最後に炒め玉ねぎと合体してペースト作り完了。
・ペーストは一旦取り出す
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激辛好きなら赤唐辛子を沢山いれましょう

 

3) 肉と汁気を投入で煮込み開始

2のペーストが出来たら取り出し、漬けこみヨーグル肉を鍋にそのまま全部投入。
3-4分程度炒めて焼き目を付けたら、2のペーストとトマト缶1缶投入。
1缶丸々ではなく3/4ぐらいにするとトマト味が少し控え目になりカレーの味が引き立ちます。ここら辺は好き好きですが、基本としては1缶です。
同時にローリエを火で軽くあぶって折ってから2-3枚ほど投入。
さらにココナッミルク200~250ml、コンソメで作ったスープ150~200ml投入。
コンソメは顆粒の物を用意すると良いです(ブイヨン可)。ティースプーン1杯ぐらいでしょうか。コップのお湯にサササッと入れて箸でクルクルします。コンソメの代わりに白だしで作った吸い物でもOK。

割とシャバシャバな状態から煮込み開始。
最初は強火でボコボコ沸騰させて煮込みます。このポイントは大切です。トマトの酸味を飛ばすためで、のちのち味が良くなります。しばらくしたらトロ火にして20~30分ぐらい煮込みます。蓋はしても半分は開けておき、水分を飛ばして煮込んでいくようにします。

まとめ3
・鍋に漬けこみ肉投入して軽く炒め、2のペーストとトマト缶1個投入。
ココナツミルク200-250mlとコンソメスープ150-200mlも入れます。
ローリエ入れて煮込み開始。蓋を少し空けて水分を飛ばしていきます。
・最初はボコボコ沸騰させましょう

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鶏肉を炒めたら、2のペーストとトマト缶も入れて…

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ココナツミルク、スープを投入

 

4) 隠し味投入と塩味確認

20-30分ぐらい煮込んだら各種隠し味の投入タイムです。

まとめ4
・無糖ココアパウダーをティースプーンで2杯。
・甘みを出すためメープルシロップかはちみつを適量(大さじ1程度)。
 ココナツミルク使う場合、味見して不要と感じたら入れなくて良い。
・「塩加減」をする。足りなければ塩少々。
・味を整えたら追加で15-20分煮込む。
 煮込み時間を調整し、お好みのシャバ感・ドロリ感を出していく。
 初日は少々シャバシャバ、翌日はドロリを楽しむのが2度おいしいパターン。

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最初は黄色だったカレーも表面に油が浮き、トマトや辛子の赤みが出てきます。

5) 最後の仕上げ (大人の辛口カレーとしてカイエンペッパーも)

そこそこ水分も減ってお気に入りのシャバ感・ドロリ感が出たところで、

まとめ5
・仕上げのバター40~50グラムを投下して溶かしこむ。
・生クリームも100mlぐらい投入。
 カレーが上手に出来ていたらもう他の隠し味は不要です!
・カイエンペッパーを小さじ1杯追加するとホット割増です!
 お好みで調整してみてください。

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写真はバターとクリームを入れたところ。これでほぼ完成。

6) 米で喰らう。黄色い米で喰らう。

米を炊く。できればターメリック入れて炊きましょう。そこにトッピングの焼き野菜など乗せれば完成です。ライスは堅めに炊きます。うるち米でもよいのですがインディカ米だとかなりインドな気分になります。

盛り付けについて。
ウチではお米の上にカレーをドバドバかけないようにします。皿半分にライス、皿半分にカレーの住み分けスタイル。もしくは皿には米のみで別の器にカレー分離スタイル。あるいはカレーを最初に皿に万遍なく敷き、その上にお椀等で形を整えたライスを置く。とにかく汁を米全体にかけてベチャベチャにしないのが我が家のスタイル。
皿に盛ったカレーに生クリームをかけるとさらに良い感じになります。 

我が家のカレー・魔改造verの要約

印・英・日の三位一体的なカレー

・(調合が面倒な時は)カレー粉を使う

・イギリスで人気のチキンティッカマサラ(バターチキンクリーム)をやや意識w

・独自の魔改造で、めっちゃ辛いカレーを楽しむ


赤唐辛子12本ばっちり入ってるのでバリ辛です。
仕上げのカイエンペッパーで更に辛さが立ちます。
ただしバターとクリームも仕上げに使うので濃厚なマイルドさも。
ココナツミルクの香りと甘さがかすかに残ります。

具である鶏肉の煮込みをしっかり楽しむカレーであり、印・英・日の三位一体的な辛口カレーです。調理方法は鍋煮込みを基本としますが、変形としてはすべて深いフライパン(ソテーパン)で行う方式もあります。最初にヨーグル肉を炒めチキンティッカを作る。取り出したら、オイル+玉ねぎを炒め、さらに唐辛子+にんにく+しょうがカレー粉を投入して炒めた後、トマト缶とココナツミルク入れてフライパン1つで炒め煮込む。最後にバターとクリームを少量・適量加えていく。1-2人前とか少量作るの場合は鍋煮込みよりソテーパンとかウォックパン使うスタイルの方が手早いです。

追記 炊飯器でつくる日本式の母親カレー!

色々書きましたが市販で大好きなカレールーもあります。
たまには日本スタイルのオーソドックスな家庭カレーを楽しむ場合もあり、その際は肉のほかに玉ねぎと人参を大きくカットして入れた、野菜ゴロゴロの日本式ママカレーを作ります。

作り方は簡単。
・肉と野菜を1口サイズにトントン切って電気炊飯器に入れる
・水を適当に入れたら、標準の炊き方でスイッチオン。

水の量なんて面倒だからいちいち計りません。
具が水面から1.5cm隠れるぐらいの量をアバウトで入れておけば問題なし。
準備はたった3分で完了。
汚れるものは包丁とまな板のみ。

50分~60分後には炊飯完了→保温になります。蓋を空けて、適量のカレールーを入れて、再び蓋して保温のまま5分待ちます。5分後にはルーが溶けているので、あとはよくかき回して完成です。炊飯器は軽く圧力が掛かっているので、肉も野菜もめっちゃ柔らかく仕上がります。鍋を使って煮込むのがアホらしくなりますよ。味だって鍋で作るよりワンランク上の仕上がりになります。お米は片手鍋で炊きましょう。そっちの方が美味しいですから。

一番のお気に入りは「横濱舶来亭BLACK辛口」です。
これで作っておけば間違いなしというカレーフレークです。
ハウス食品の激辛や夏季限定も好きです。

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ペリカン万年筆スーベレーンM800 緑縞 90年代モデル

お題「お気に入りの文房具」

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定番中の定番。これだけは手放せない唯一の文具

お気に入りの文具は「ペリカン スーベレーンM800 緑縞 M 中字」です。
20年以上愛用しています。パソコンやスマホタブレットのおかけで出番はめっきり減りました。それでもたまに目的もなく文字を書いたりします。

万年筆に詳しい方ならこのモデルの説明は不要ですね。
モンブランのマイシュターシュテックを越えて、今や万年筆の代名詞という存在。
万年筆と言ったらコレでしょ、という定番中の定番です。

1996年にアメ横の中にある舶来品取扱いのショップで購入しました。
ミーハーな私はモンブランのマイシュターシュテックを買うつもりでしたが、当時勤務していた会社の支店長がこちらの万年筆の青縞を使っていて、試しに使わせてもらったところ、大変書きやすかったのでスーベレーンM800が第一候補になりました。

 

対応の良い現地法人

現地法人であるペリカン日本は当時、上野・御徒町に事務所がありました。
私が務めていた会社も御徒町秋葉原の中間あたりに位置していました。購入するのはアメ横内のショップだし、何かトラブルがあっても現地法人事務所まで歩いてすぐ行けるしと、そんな安心感も背中を押し、この緑のスーベレーンを買うことになりました。

購入してからは毎日スーツの内ポケットに刺し、ガンガン使い倒しました。
しかし使い方が手荒いので、案の定ペリカン日本へ出向くことになりました。
本体首軸のプラスチック製ネジ部の破損修理や、キャップの口が緩くなって本体にピタリとかぶらなくなってしまったのを調節してもらいました。

ペリカン日本の事務所に持ち込むと不具合はあっという間に治してくれました。
痛んでダメになったパーツもビニール袋に入れて返してくれます。
親切に対応していただき、やはり輸入総代理元はいざという時に対応が全然違うなと思ったものです。

 

60年代には万年筆の生産中止→80年代に再開もマニア向け

私が購入した90年代中頃当時のペリカンは、ドイツの老舗とはいえども、文具好きや万年筆好きな人以外にはあまり知られていないブランドでした。万年筆に興味のない一般の人々にとっては「何それ?どこの国のメーカー?」といった具合です。トップブランドのモンブランに肩を並べるような知名度は全くありませんでしたし、それどころかパーカー、ウォーターマン、クロスといった米国勢、国産ブランド勢の後塵を拝していました。

万年筆は60年代~80年代にかけてボールペンにマーケットを奪われて嗜好品のような位置づけになっていました。実はペリカン自身も1960年代~1980年代にかけて万年筆の製造を中止していました。長らく万年筆界から姿を消していたわけですから知名度もへったくれもありません。一般の方にとっては知らなくて当たり前のブランドでした。ペリカンは80年代に入ってようやく万年筆の生産を再開するわけですが、ドイツの老舗という肩書や、柔らかなペン先のタッチを好む人達に向けて限定生産品を販売するマニアックなブランド、というイメージが強かったです。1987年に入って初めて生産が開始されたスーベーレーンM800にしても、私が購入した当時はまだまだ歴史の浅い新参モデルの1つでしかありませんでした。

 

1997年、万年筆人気投票で一躍スターダムに

しかし1997年、ペリカンに大きな転機が訪れます。
ドイツの万年筆愛好家向け専門誌「スクリプタム」が企画して行なった人気投票でペリカンのスーべレーンM800・緑縞が堂々の第一位を獲得し「ペン・オブ・ザ・イヤー1997」の栄冠に輝いたのです。その圧倒的な支持と評価はあっという間に世界へ轟きました。

それ以降のペリカン知名度もどんどん上がり人気が沸騰、現在の不動の地位を確立していきました。芸術性の高い高額な限定生産品はもちろん、通称ペリスケというあだ名で知られるスケルトンタイプのデモンストレーターという商品が飛ぶように売れるトップブランドになり、いまでは万年筆といったらモンブランと共にペリカンの名前が代名詞として挙がるほどのメーカーになりました。

ドイツ「Scriptum」誌は高級時計専門雑誌で著名な「クロノス」の別冊・筆記具版として1996年から2000年まで毎年1回発行されていました。この雑誌が1997年に企画した人気コンテストで堂々の第1位となったのがスーベレーンM800緑。ドイツ老舗ペリカンの再評価・復活と人気沸騰は話題となりました。

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こちらの写真は私の所有するM800です。
古いタイプの天冠には、金色の金属メダル上に黒で大きな母親ペリカンと小さな子供ペリカン2匹(母親ペリカンのお腹の先にある黒い2つの点)が描かれており、マニアには「双子天冠」と称されています。現在販売しているものとはこのキャップの天冠の部分が違います。ここ最近のモデルは下の写真のように金属のエッチングに変更されています。

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オールドスタイル(1987-1997)

既述のとおりM800は1987年に製造が開始されました。80年代後半に生産された最初期モデルはキャップリングに西ドイツ製である「W-GERMANY」の刻印があり尻軸の底部に金色の金属プレートが奢られていました。ニブは14金だったようです。90年代に入るとニブは18金へと変更され、刻印はドイツ統一後に「GERMANY」の刻印となりました。私の保有しているM800は東西統一後に作られたもので、まさにペン・オブ・ジ・イヤー1997を獲得した当時のモデルとなります。真鍮メダルトップ、双子天冠、18金ニブという組み合わせです。

下の写真をご覧いただくとM800の変遷が良くわかります。ドイツでは一番左と左から2つ目の1987年~1997年までの真鍮メダルトップをオールドスタイルとしているようです。1997年までのオールドスタイルは重量が28.7 g。1997年以降は重量がわずかに増えて29.3 gになっています。

https://www.pelikan-collectibles.de/de/Pelikan/Modelle/Souveraen-Serien/M800-Basis/Pelikan-M800-Logo-de.jpg

ペリカンのスーベレーンは書き具合のタッチがとても柔らかく、ヌラヌラと気持ちよくペン先が走ります。私は中字のМを選択しましたが他社のBぐらいありそうな太さです。この柔らかさと太目の文字がペリカンの万年筆の特徴でもあります。

近年はPCのキーボードをカチャカチャしたり、スマホタブレットを指でスルスルすることばかりで使用頻度は落ちていますが、それでもつい先日ニブをクリーニングしました。気が向いた時にはぼちぼち可愛がっています。

 

メンテナンス性が抜群

ペリカンはニブを手でくるくると回して簡単に本体から分離できるのでメンテナンス性に優れています。他人に万年筆を勧めする時はいつもペリカンのスーベレーンM800を推しています。私自身、数ある筆記具の中で一番好きな道具ですし、20年以上使っていて一向に飽きがきません。少々値段は張りますがモンブランほどではありませんし、文具屋から高級ブランドへの脱皮に必死なモンブランより遥かに好感が持てます。万年筆の購入を検討されている方はぜひスーベレーンをご検討ください。
男性にはM800、女性には少し小さいサイズのM400がお勧めです。

Russell Hobbs (ラッセルホブス) のカフェケトルってどうよ? 口コミ・使い勝手

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毎日使うキッチンアイテム

我が家のやかん、湯沸かし器を紹介します。
英国Russell Hobbs (ラッセルホブス) 社の電気カフェケトル、「Classic Cafe Kettle / クラシックカフェケトル」です。

・中国製
・重量:720g
・容量:1リットル
・電源/消費電力:100V/1250W
・本体:ステンレス+樹脂製

品番7100JP。電気で加熱するタイプのケトルです。カップ1杯を1分程で沸騰させることができます。2006年に購入以来、現在のところ壊れる素振りもなく現役で日々忙しく活躍しています。

当時は販売開始(2005年)からさほど経っておらず、この商品が徐々に知れ渡り始めたころだったと記憶しています。定価は10,000円税別。購入価格が商品9,340円+送料550円でしたから、ほとんど値引きはありませんでした。プラスチック樹脂製のティファール製品の3~4倍はする値段だったので購入を躊躇する人も多かったと思います。

以前はステンレスの笛吹きタイプの薬缶を使っていました。冬場はどうしても出しっぱなしとなるためコンロ上を占有して邪魔。お湯が沸くのも遅しい、見た目も安っぽくていまひとつ冴えない (事実安モノでしたw)。何より使いにくい。マイナスポイントばかりで正直イヤイヤ使っていました。そんな最中、実家で親が薬缶を捨ててティファール電気ケトルを買ったのです。あっというまにお湯が沸く。場所も取らない。しかも安い。目からウロコです。

「そりゃそうだ。21世紀にもなって火でお湯を沸かしてる場合じゃないだろう」

早速ネットで色々と調べました。その中で一番デザインが良かったのがこのラッセルホブス。お値段は高いけど、まぁいいか。見た目で選ぶという愚かさ全開っぷりでしたが、とにかくこの7100JPという電気ケトルが我が家にやってきました。

f:id:mini-mill:20170308230028j:plain2006年製。いわくつきの初代モデル7100JP。これが後に、いろいろと…。

 

見た目で選んだけど失敗しなかった珍しい例

デザイン重視の家電は、やれ美しさだ、やれ先進フォルムだと謳い、大切な機能や使い勝手は二の次で直ぐに壊れる、というのが世の相場。しかし人は、そういう物に限ってついつい手が出てしまうものです。このクラシック・カフェ・ケトルの場合も例外ではありません。私も既述のとおり外観のデザイン重視だけで選んでしまいました。
「ピカピカしていてティファールより高級感がある。注ぎ口が古い喫茶店に置いてある昔ながらのポットみたいなフォルムでお洒落。これならテーブル上に放置プレイしてもOKじゃん」と。

道具を機能でなくデザインで選ぶと大概は失敗を招くものですが、幸いなことにこのケトルに関してはそうはなりませんでした。注ぎ口が古臭いポット風。実はそこに失敗を回避する要因が隠されていました。古いモノというのは、得てして先人たちの知恵というエッセンスが集約されているものです。このカフェケトルの注ぎ口も例外ではありませんでした。

オーッ、これはいいわぁ

まず気に入ったのは、そのお湯の注ぎ易さ。
太くもなく細くもなく、とにかくターゲットに注ぎやすい。湯量も調節しやすい。傾ける角度と出るお湯の量と放物線の具合が思い描いたとおり心地よくマッチします。ティーカップ、マグカップ、鍋釜等の調理器具、インスタントカップ麺まで、あらゆるものに対して適量をあたりさわりなく注いでくれる。

私はコーヒーをさほど飲まないのでハンドドリップは滅多にしないのですが、これならそこそこ細くすることも可能です。お湯をドリップポットに移さなくても簡易的なハンドドリップができます。購入して初の第一投目から「オーッ、これはいいわぁ」と声が漏れました。懐古趣味のアールヌーボーな鶴首の勝利というわけです。

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注ぎ口は楕円の形が控え目な長さ。水切れが素晴らしい。

f:id:mini-mill:20170308233905j:plainドリップポットほど首は細くないがドリップポットのように湯を細く出せる。

点滴のように本格的にドリップする人はもっと細首の製品を購入するでしょう。しかしそれは特殊な専用器であって「ケトル・やかん」ではありません。人は普段、熱湯をクノールカップスープに注いだり、ぺヤングソースやきそばに注いだり、どん兵衛に注ぐのです。またある時は餃子を焼くときに、鍋料理の差し湯にと、あれやこれやと注ぎます。このケトルはそのすべてをそつなくこなしてくれます。

数奇の運命をたどる人気ケトル。一転、廃番へ。

ボタンひとつでお湯が沸き、沸いたら勝手にスイッチOFF。使い心地が良く、18-8ステンレス製ボディは錆びることも変色することもありません。熱伝導の悪いステンレスは保温性に優れ温度が下がりにくい。ハンドル部は指ストッパー部がせり出して握りやすい。本体はコードレスで持ち運びも自由。底が熱くならないのでナベ敷も不要。蓋の口が大きいので洗浄も楽。カルキ除去機能搭載、空焚き防止機能も付いています。これで後は故障が起きず耐久性に問題がなければ100点満点の商品です。

しかし、そうは問屋が卸しませんでした。

販売が増えると同時にこの製品の不具合・トラブル報告がレビューに上がるようになりました。工業製品ですから不良品・イレギュラーの類はあるでしょう。そのため1年保証だって付いているわけです。ウチに来た個体だって元気に活躍してましたから、まあ問題はないだろうと高を括っていました。しかし数多くのユーザーからの報告の結果、2005年~2007年に製造された商品のうち欠陥がある個体の存在が判明しました。販売会社は保証期間延長と無償修理対応の案内を発表することになりました。以下は公式サイトに発表された文章。

カフェケトル7100JPの保証期間延長による無償修理対応のご案内

<2005年~2007年生産対象品>
平素はラッセルホブス製品をご愛用いただき誠にありがとうございます。さて、ラッセルホブス・カフェケトル7100JPに於きまして、内部配線が過熱し本体底面の樹脂が破損する不具合が、一部の製品で発生いたしました。このような症状が起きた場合、該当箇所の保証期間を延長して無償で修理・交換させていただきます。

不具合の現象
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本体の内部配線が過熱することにより、本体底面の樹脂パーツの一部が破損する不具合です。なお、本体内部には過温度上昇防止機能が組み込まれており、本体底面の樹脂パーツは難燃性の素材を使用しておりますので、延焼する心配はございません。 

不具合の原因

原因は製造工程上の理由で端子の接続不良が紛れており、電気的な接続不良となることによるものです。その場合、上記の症状が発生する可能性があります。

対応

下記の対象製品に於いて、上記の不具合の現象が発生した場合、弊社保証規定の保証期間に関わらず無償にて修理または交換いたします。万が一、不具合が発生した場合は直ちに使用を中止して、大変お手数ではございますが、下記までご連絡をお願いいたします

・品名:ラッセルホブス・カフェケトル
・品番:7100JP
・対象製品の販売時期:2005年2月から2007年12月まで
・確認方法:本体底面および電源台底面に貼付されているラベルをご確認ください。


私の持っているものは2006年製ですからどんぴしゃりの対象製品でした。2017年現在、不具合は起きてませんが果たしてこの先どうなることやら…。それでも不具合が出たら修理またはNEWモデルに交換してくれる無期限補償を手に入れたことにはなりますので考えようによっては得かもしれません。

復刻版の7110JPを再販、そして後継の品番7410JPへ

メーカーでは2008年製から内部構造を変更し、商品はそのまま販売が継続されました。しかし2010年5月には遂に廃番となります。不具合が起きた際の対応については2016年2月以降は後継モデル7410JPとの交換となることがアナウンスされました。以下公式サイトより。

平素より、弊社カフェケトル「7100JP」をご愛顧いただきまして、誠にありがとうございます。この度、カフェケトル「7100JP」は製造上の都合により、今後の継続供給が困難な状況となった為、誠に勝手ながら廃番とさせていただくこととなりました。これまで多くのご用命をいただき誠にありがとうございました。今後とも弊社製品に一層のお引き立てを賜りますようお願い申しあげます。

カフェケトル7100JPの修理対応について
これまで、7100JPの不具合状態によっては交換対応をしてまいりましたが、廃番終了となったため、今後の交換対応品は7410JPとさせていただくこととなりました。誠に勝手ながら何卒ご了承いただきますようお願い申し上げます。


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本体に熱つを伝える台座部分。ポットの裏面が不具合を起こすらしい。

好調に販売台数を伸ばしていましたが、初期モデルの所為で思わぬところでケチがついたカフェケトル。英国製の緩い設計の所為なのか、それとも中国製パーツの問題だったのか。いずれにせよ2010年に一旦生産が終了となりました。

 

人気モノは強い

それでも人気商品というのは引く手数多なので、そう簡単に無くなりません。すぐさま改良版がリリースされました。メーカーは復刻版と銘打って2011年から「7110JP」という品番モデルを販売開始しました。更に2015年には改良を施した「7410JP」という最新品番の後継モデルにバトンタッチされ現在に至ります。販売から10年以上、まだまだこの商品の物語は続きそうです。

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どこが違うのか?新旧3世代のモデル比較

現在のラッセルホブス電気カフェケトルは3代目ということになります。
せっかくですから10年以上販売が続く人気商品の新旧比較を少しやりたいと思います。
それではさっそく見てみましょう。まずは外観です。基本フォルムは初代からぶれることなく踏襲されています。私の持っている元祖というか初代7100JPの写真をご覧ください。後継モデルにおいて変更を受けることになった部分を3つほど赤い丸で囲んでみました。本体下部の黒い樹脂部分に少しふくらみがあります。これは初代モデルのみの特徴となります。次に台座。これも初代モデルのみの形状で裾広がりの具合が小さく全幅もわずかです細いです。注ぎ口は3代目と比較すると断面積が少し小さい。

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続いて下の写真が2代目となる復刻版7110JPです。本体下部の黒い樹脂のふくらみが無くなり、ストンと真下に落ちたようなパーツに変更されました。台座も形状が変更され裾がより広がっています。ただしそれ以外は初代とかわりません。

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最後に2015年にリリースされた3代目7410JP。
一目瞭然で違いが判る変更がありました。黒い樹脂の部分に突起が追加されています。これは両手持ちの際に補助の役目を果たすためのものだそうです。うーん、正直に言うと「こんなものいるか?」という感じで、美しフォルムが台無しです。

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 最新の7410JPでは内部も簡素化されてしまいました。7100JPはMAXと刻印された突起物(タブ)があり1リットル満量の水位が分かり易い。これが無くなってしまいました。デザインありきの商品が、そんなとこをケチってどうする的な感じもしますが、多分洗いやすさを考慮したのかもしれません。

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 ↑ こちらが旧タイプ7100JPの目盛。これで1リットルの限界値。やはりMAXの文字が刻印された古いタイプのほうがレトロ感があって良いです。
※ちなみに限界を超えて水を入れると加熱がスタートしません。なかなか賢い。

このほかにも蓋の硬さが改善して開けやすくなっている、沸騰した時スイッチのカタッと上がる音が静かになったなど報告もあるようです。

以上、我が電気ケトルですが、ざっくりと紹介してみました。
それにしてもあと何年長持ちしてくれるのでしょうか?
とりあえず故障なく10年以上経ちました。中国製にしては素晴らしい耐久性を誇っています。まだまだ元気に活躍してくれそうな雰囲気です。

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