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マカロニ走ってゴリさん蕎麦食えばボス歩く

見たら得する情報満載!番組はこの後すぐ!

砥石屋さん初体験。一竿子忠綱の牛刀購入記。

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東京は上野御徒町清洲橋通りの砥石店「坂井砥石」さん。「一竿子忠綱」特約店。おすすめの包丁は?

エースの牛刀が引退! 風雲急を告げる!

長年にわたり我が家のキッチンのエースを務めた本格派右腕が、ついに引退する日がやってきました。グレステン牛刀。正式名:ホンマ科学「グレステン・ハンドル一体型プロ用Mシリーズ721TM」。愛知製鋼のACTO440という鋼材で造られたステンレススチール製・刃渡り210mmの洋包丁で、入団以来、先発・救援・中継ぎ・抑えを一人でこなしてきたウチの背番号18番、百戦錬磨のつわものです。

洗い桶につけっぱなしは当たり前。
シンクや食洗機に放り投げるのも日常茶飯事。
しかし、どんなにひどい仕打ちを受けても、文句一つ言わず、
黙々と自分の仕事をこなしてきました。
なぜか?
それがエースだから!
(本当はまともな包丁がコレ1本しかなかったw)

肉野菜は言うに及ばず、刺身を切るのも、小魚の骨やヒレを叩き落とすのも、豆腐のパッケージフィルムを切り開けるのも、ロールケーキを切るのも、冷凍食材をガリガリするのも、全部コレでやってきました。夏の暑い日のスイカ割だって活躍してくれました。秘密の話ですがアマゾンの段ボール開けるのだって…。
思い出もいっぱいの頼れる大黒柱です。

しかし、いつしか疲労は貯まる一方で「もう俺も若くはないさ」という声が日に日に増してきました。気が付くと、先端部の切っ先は欠け、鍔の口金は経年劣化で変色し、刃先が砥ぎで上がり、ウロコ(平のくぼみ)近くまで迫ってきました。砥いでも砥いでも私の技巧では、往年の切れ味は復活しません。

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酷使して疲れ果てたエース

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ご覧ください。切っ先は、欠けたというより折れた、に近い状況です。
欠けた刃はどこへ行ったのでしょう。考えたくもありません。


まさに台所事情。

アフターサービスがしっかりしていることがグレステンの購入理由の1つでした。包丁は永久保証になっています。ホンマ化学に送れば有料ですが修理もしてくれるし、しっかり砥いでくれて、初期性能も完全復活できるはずだと思います。グレステンはハマグリ刃という特殊な刃付けになっていて、手砥ぎでしてくれるそうです。都内百貨店で頻繁に展示販売会もやっているので、そこでも砥いでくれます。

うーん…、さてどうしたものか。
あれだけ刃欠けしていると、砥ぎ直しではなく、修理扱いとなるはず。往復の送料も馬鹿になりません。送料と修理代で5,000円位はかかるでしょうか。そうであれば、その予算を新しい包丁へ回したほうが結果的に良いのではないか…。

先日買った和包丁が頭をよぎります。
このままの流れで柳刃と薄刃を追加で獲得し、ローテーションを早急に確立したい。
京都有次の菜切りをリリーフに迎えて常勝軍を作り上げたい。
しかし貧乏球団としては今ここで1人3役をこなしてくれる大黒柱の喪失は痛い。
それに薄刃や柳刃は高価な年俸を要求する選手。
今すぐ一気に契約はできそうもない。
仕方がない。
まずはエースの牛刀を買い替えて投手陣の体制を立て直すしかないか!
(なんのこっちゃ)


さよならダルビッシュ有、こんにちは大谷翔平

グレステン牛刀 ( ホンマ化学 ) という名は、どこか「ダルビッシュ有」のようです。
カタカナ+漢字。発音だけ聞くと外国製のようにも思えます。
しかしカタカナが入っていようと、生まれも育ちも日本製。
グレステン = ダルビッシュ…。
そうなると、次に球団の顔として迎える新しいエースは「大谷翔平」でなければなりません。当然の如く名前は全ての文字が漢字、古風な老舗の包丁になります。
ダマスカス鋼やハイス鋼、ZDP189やATS34など、カタカナ英数アラビアはご法度です。ヘンケルス・シェフナイフ・MD67、ボブクレーマーモデルなどという外國人選手は以ての外です。また日本の牛刀包丁というのは、そもそも関東が発祥・本場だったらしく、そうであれば、今回は関東の包丁屋さんor関東で造られた包丁を購入したい気分です。

さっそく候補をピックアップしました。まずは有名処から。

・正本総本店
日本橋木屋
・築地正本
・築地有次
・吉實
・子の日
・杉本
・かね惣
・うぶけや
・東源正久

いやはや、東の包丁だけでも沢山ありますね…。
さらにトンカントンカン自前で誂えている素敵な工房さんも。
正本や木屋や有次が百貨店に並ぶようなメジャーレーベルなら、こちらの鍛冶鍛錬を実際にこなすメーカーはインディーズ系と言いましょうかw

・藤原照康刃物工芸
・正宗工芸美術製作所
・五香刃物製作所
・加藤鍛錬所
・八重樫宗秋打刃物製作所
・菊和弘

これまた、わさわさと出てきます。
※このような伝統を残すためにクールジャパンの予算使ってほしいですよね。
そのほかに沢山の包丁専門店があります。
協同組合京浜刃物専門店会の各社。
それぞれ名品やオリジナル商品が置いてあるようです。
そして日本を代表する食の問屋街、合羽橋道具街。
かまた刃研、鍔屋、ユニオンコマース、松井刃物…。連日外人がたくさん押しかけて、店内には英語の張り紙だらけ。合羽橋にはツヴェリングのプロセンターもあります。この街に来れば、名前の知れた包丁メーカーの大半は実際に手にして確認することができるというわけです。

合羽橋へGO! ブランド、OEM、オリジナル入り乱れ

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ウェブでいろいろと下調べしましたが、どこのブランドも素敵な包丁がずらり。
関東以外の生産地にも目移りします。
堺や関や越前の刃物各社を筆頭に、ミソノ、藤次郎、フジタケ、有次、堺一文字、菊一文字、服部刃物、重房、タダフサ、新見・武田刃物…。
他にも書ききれないほどメーカーや専門店や工房があります。
こんなにいろいろあるのは日本だけでしょうか。

10年、15年と使うものですから、手に取ってみないことには、良くわかりません。私は身長の割に手が小さく、それでいて指は男性としては長め。丸っこい柄は嫌いで、薄くて軽いペティのような手楽にスイスイと食材に切れ込む感触が欲しいくせに、ぶ厚く重い包丁が好き。わがまま言いたい放題です。いずれにしても、ますば実物を見ないとはじまりません。手になじまないものを買っても仕方がありませんから。

ということで、我が愛車を走らせて、やってきました合羽橋
(ウチの車はシルバーの3シリーズ。つまり「銀三」(ステン包丁の人気鋼材))
正本総本店、杉本、築地有次、堺孝行、藤次郎、フジタケ、ツヴェリング、ヴォストフ、ビクトリノクス、グレステン、グローバル…。その他これでもかというぐらいに包丁が置いてありす。外国から来たと思われる方々がどんどん買い求めていました。釜浅商店に入るとオリジナル包丁がずらり。眺めていたら、これは堺のOEMの包丁だろうな、とわかりました。「この柳刃は堺?」と尋ねると、店員さんから鍛冶屋さんは誰それ、砥ぎ屋さんは誰それ、と堺の伝統工芸士さんの名前がすらすらと出てきました。やはり。なんとなく堺の刃物はわかる。余所とは違います。

さて、私が買える牛刀は予算からいって、伝統工芸の打刃物のようにゼロから鋼材を叩いて成形するのではなく、板を型抜きでガチャンと切り、それを焼き入れし、機械でガーッと砥いで仕上げるタイプだと思います。で、洋包丁の製造工程はだいたいこんな作り方かなと。 ↓

こちらのサイト、とても分かり易いです
www.seki-houei.jp

牛刀は似たようなデザインが多く、まるで瓜二つのようなモノがあふれています。
結構OEMで作られており、元は一緒、なんてこともありそうです。つまり関東で包丁を買っても、作っているのは実は堺だっり、関だったり、三条だったりすることも多々あるわけです。

なかなかビリビリしない関東勢

実際にいくつかの包丁を手にしてみました。
はじめのうちは、長年使ったグレステンのバランスと重さと握り心地に慣れてしまって、どれを握ってもしっくりきません。それでも何本か持ち比べていると、グレステン感覚は薄まり、判断の軸になるようなものが出来上がってきました。
「杉本」「フジタケ」「正本」あたりが好感触。
さすが有名処は下手は打ちません。
ただ「絶対にコレっきゃない」という一目ぼれまではいきません。
どのメーカーも素晴らしく良い包丁です。
が、これは頭一つ抜けてるな、という感じもしません。
刃物は長年使い込んで違いが分かってくるのだと思いますから、
ちょろっと握っただけでは判断は難しい部分もあります。
さてどうしたものか。もう少し他も見たい。
木屋、吉實あたりでビビッとなるようなものが見つかればいいけど、どうかな…。
堺北辰の時は、砥ぎ教室の教材用ペティですら手にしてビリビリきました。
また、あのような感じが欲しい。

色々と見ているうちに、やっぱりというか本来欲しかった柳刃や薄刃が欲しくなってしまいました。
今一つ納得のいかない牛刀買ってもしょうがないのでは…。
そうであれば、また堺の和包丁が欲しいな。
と、そこで、はっと思い出しました。
東京の砥石屋さんが堺の老舗包丁屋の特約店になっていることをネットでみた記憶が蘇ってきました…。たしか上野?だったかな。
車に戻ってドライバーズサポートデスクに繋ぎ、調べてもらいます。

「お待たせしました、BMWドライバーズサポートデスク、担当〇〇です
「『上野砥石をネットで調べてください!」
「はい、承知しました。…。坂井砥石、森平という2社がございます」
「坂井砥石、そっちのほうだ。砥石って社名に入っていたハズ。とりあえず車に情報送ってください」

センターから情報が届きディスプレイに表示されました。


「白紙の2号だけで作った水焼きした牛刀ありますよ」 

合羽橋から車で2~3分。
目と鼻の先にその砥石店はありました。

坂井砥石
 堺打刃物 刀匠 一竿子忠綱 特約店

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清洲橋通りに大きな看板が出ています。
生まれて初めての「と・い・し・や・さ・ん」です。
初体験というのは何事も楽しいものです。
コンクリ造のビルなのに何故か古めかしい木の引き戸。
ガラガラガラーッ。戸を開けました。
すると「いらっしゃいまし」の声。
やっぱりお江戸言葉はいいですよね。

電話で事前に連絡しておきました。
「砥石のほかに包丁も扱いがあると伺ったのですが…。」
「はい、堺にある一竿子忠綱の包丁を取り扱っています」
「それはカタログ販売ですか?それとも実物は置いてありますか?」
「売れ筋の物については在庫がございます」
牛刀と柳刃と薄刃を検討していることを伝えると、
「柳刃は九寸も尺もございます。牛刀も白紙2号だけで作った水焼きのものがあります。うちは一竿子忠綱しか扱ってませんが、日本でトップクラスの包丁です。一度お越しください」
俄然、期待が高まります。
値段を聞くと庶民が使うグレードならどうにか買える価格です。
今日は大丈夫かと聞くと、是非どうぞ、とのこと。
合羽橋で買い物を少々してからお店に伺いました。

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一竿子忠綱 別打 牛刀 八寸 これが大谷翔平だ!

店内は砥石や機械が鎮座しています。
お店に入るとご主人がさっそく包丁を見せてくれました。
まずは牛刀の210mmです。
うっとりするようなヘアラインの研ぎ仕上げが綺麗な包丁が出てきました。
控え目に銘が売ってあります。
「刀匠一竿子忠綱 別打」
安来鋼白紙2号だけで造った全鋼タイプ。
高価な和包丁のようにゼロから鍛造して土盛りして水で焼き入れした「水本焼き」とは違いますが、全鋼であること、水焼き入れしてあることに違いはないそうです。
牛刀は和包丁より若干「甘め」に焼き入れしてあるそうです(硬さをすこし落とす)。
いざ包丁を手にしてみました。

あれれれ。
ビリビリきません。
「これじゃない」感が手から伝わってきます。
見た目のスタイルも良いし、スパスパ切れそうな感じです。
が、少し軽く感じてしまいます。
もう少し重さが欲しい…。

そもそもこのサイズじゃないか…。
気を取り直して8寸240mmをリクエストします。
すると箱から出きたのは一回り大きな立派な牛刀。
たった1寸ですが迫力が数段増しています。
おっ、今度は良さそうだ。
ぱっと見だけでわかります。
オーラが出ています。
見た目の佇まいからして違う
そっさく手にしてみると…

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きました、きました、この感じ。
長さ良し、重さ良し、バランス良し、スタイル良し。
これだ!
間違いない。
これなら大事な試合のマウンドをまかせられます。
超イケメン。名前も漢字のみ。
まさに君こそが大谷翔平
我が家のエース牛刀だ!

堺なら当然和包丁も要チェック 20年モノの選手も登場

続いて柳刃の白紙霞包丁9寸(270mm)を見せてもらいました。
軽くて長さをあまり感じさせない包丁です。
長い時間板場に立ったり、魚をたくさん捌いて刺身を引く本職の方たちは、このような感触の包丁だと疲れないだろうなと思いました。尺は長すぎると思っていたのですが、ここの包丁なら300mmでもいけるかなと思えました。柄元(顎)が削ってあり、指が自然にかかりやすくなっていて、細かいところに気配りもあります。ただ柄がしのぎの付いた栗型の丸い朴の木タイプだったのがバツ。私はなぜかこの丸っこい柄が嫌いなのですw。八角の朴だったら合格でした(交換も可能とのことでしたが)。
つづいて青紙鋼の薄刃包丁も見せてもらいました。
こちらは手に持った瞬間ビリビリきました。
ただしお値段のほうもビリビリと痺れさせてくれます。
薄刃は大きくてたくさん鋼材を使うから仕方ありませんね。
実際に買うなら白紙バージョンですがそれでもお高いので躊躇します。

包丁選びは普通刃渡りが基準になりますが、一竿子忠綱の包丁は「長短」「軽重」のうち「軽重」、すなわち持った時の重量感を基準に選ぶと良いかもしれません。
白紙2鋼の別打牛刀は握っているうちにどんどん手になじんできました。
実はグレステンを使っていても、もう少し長くてもよかったかなと常々思っていました。
今度は240mmですから間違いありません。
お店のご主人も、この牛刀の愛用者で「ぜひコレを使ってみてください」とイチオシでした。20年以上使い込んでペティのようにチビた包丁も見せてくれました。「全く同じ商品だったんですよ。使い続けてこんなになりましたが、未だにこれ使ってます。全鋼だからこんなになっても使えますし、切れ味も変わりません」。

満足できる納得のいく牛刀があったので、ますば最初の計画にそって別打八寸牛刀を求めることにしました。色々と相談して、その日は一旦引き上げ、翌日に再びお伺いし別打牛刀八寸を購入しました。

ちなみに一竿子忠綱さんは堺の名高い老舗の包丁屋。堺にある刃物の会社は、鍛冶屋、研ぎ屋、柄付け屋、名入れ(彫り)、問屋、販売店等が混然かつ分業になっているのが特徴。これらを全て一社でやるところもあるし、そうでないところもあります。一竿子忠綱は鍛冶屋さんではないので、鍛冶屋さんにOEMで刃材を造らせて、それを自前で独自に仕上げているようです。販売店であり、研ぎを得意とする工房であり、炉で焼きなまし作業なども行う、マルチな老舗包丁屋さん。堺の刃物店の牛刀包丁でシルエットがそっくりなものがあります。多分鍛冶屋さんが一緒か、ベースをその会社で作らせているかもしれません。

堺の包丁は街中にある刃物関係の各社が全体として包丁づくりのネットワークを高度に築いています。製品が各段階で複数の手を渡ることで、品質の多重チェックが入るシステムのため、ブランドや銘に関わらず、どちらのものでも高品質で安心して買えるのが強みです。

砥石屋さんで買うと、もれなく付いてくるものがあります

翌日は再び電話して決めた時間に伺いました。包丁研ぎを教わるためでした。
包丁というのは研いで使う物です。それは新品で購入した時だって一緒です。
ちゃんと刃付けをしてからでないと性能は発揮できません。
箱からポン出ししてそのまま使うわけではないのです。自分で砥いでも良いのですが、せっかくの良い包丁ですから上手なプロに砥いでほしいですよね。包丁を買う場合はその場でちゃんと砥いでくれるお店かどうかも大事な選択肢の1つです。

お店に着くと既に包丁がカウンターの上に用意されていました。
支払いを済ませると、さっそく「砥ぎ」が始まりました。
この砥石店ならではの極意というか、ノウハウを教えてくれながら、大谷翔平くんを砥いでくれました。沢山の砥石を使っていました。私はじっと見聞きしながら、使う番手や手法などメモしました。
ここでは書けませんが、あ~、なるほどね~、と思う点が多々ありました。

砥石屋さんで包丁を買うと、このような砥ぎ・指導の特典がもれなく付いてきますので、とてもお得な買い物となります。そしてなによりもうれしいのが、良い砥石で砥いで仕上げてくれることです。材質が確かで素性のはっきりした良い包丁も、上手な研ぎの技術が無いと活きません。そしてその技術を活かすのが良い砥石、というわけです。砥石屋さんに置いてある天然砥石ですから、鋼材との相性だってバッチリのものです。
結構長い時間かけて砥いでいただきました。
詳細の値段は控えますが驚くような値段の砥石で見事に砥ぎあげてくれました。
一般家庭で使う包丁ではまずこんな砥石で砥ぐことはありません。
下の写真が完成した包丁です。

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この美しさをごらんください。大谷翔平のようなイケメン包丁
ただし美しさは今だけ。自分で砥いだら綺麗な模様も滅茶苦茶になるでしょうw

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刃先の仕上がり、切れ具合をチェックしています。
砥いだ時に残るらしい極めて細かいバリを取り除く意味合いもあるようです。
伝統工芸スクエアで包丁買った時も工芸士の方が新聞で似たようなことをしていました。最近家で包丁砥いだら同じ所作を真似てますw

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f:id:mini-mill:20170512065451j:plain刃のブレード本体と口金はサンドイッチで張り合わせた?ような作りです。
綺麗な作りですが、刃と口金の一体成型ではありません。

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聞くのは忘れましたがもっと長い尺とかあるのかな…。
尺の300mmバージョンでキャベツをバリバリ千切りしてみたいw

f:id:mini-mill:20170510082921j:plain別打、別誂、別製、別撰…。何故か包丁屋さんはやたらと「別」が好きですw

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どのメーカーの牛刀もパッと見は大して変わりはありません。
中身も、大きく分けて、錆びる鋼か、錆びないステンレスか、の違いが主たるものです。
OEM製品が幅を利かせ、実際に作っているところは一緒だったりするようなケースもあるでしょう。鋼材の硬度による長切れするかどうかで包丁の値段は上下します。鋼であれば白紙から青紙へ上げると価格は5割増し程度違います。ただ砥石屋さんに来て逡巡したのは、ハイエンドの鋼材使った包丁や、模様の綺麗な積層ダマスカスタイプの包丁を買うのも良いけど、その予算で相性の良い仕上げ砥石の1つもセットで一緒に買ってシュコシュコやったほうがよい、ということでした。やはり包丁は、研ぎ方と砥石が大切なのだと改めて思いました。
またこちらの砥石店に伺って、今度は砥石を買ってみるつもりです。

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f:id:mini-mill:20170512073731j:plain箱がシャレオツですよね、一竿子忠綱さん。
銀に金文字。黒箱の内側は真っ赤。
他の包丁屋さんもこのセンス見習ってほしい。

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新旧エースを並べてみました。
この迫力。大谷翔平は若くて大きくて格好良いです。
既出の「見た目の佇まいからして違う」というのはこのことです。
もっと大きなまな板が必要になってくるでしょうw
グレステンは引退といっても自己流で切っ先を直して使います。
研ぎの練習台や海釣りのお供として。
釣りシーンこそステンレス包丁活躍の見せ所ですから。
少し短くして洋出刃っぽい感じにしようかな…。

奥の深い砥ぎの世界。初めての感覚かも。不思議な切れ味。

さて、大谷翔平の、肝心の切れ味はどうなのか…。
人参や大根など硬い根野菜を、わざと分厚く切ってみました。
気持ち良いぐらいスパッと切れます。
途中でバリッと「割れ」ません。食材の最後までよく刃が入っていきます。
根野菜は、包丁自体の刃の厚みが厚かったり、綺麗に砥げていなかったりすると、バリッとなりますが、この包丁なら根野菜も綺麗に縦割りや輪切りができます。
やわらかいトマトなどもヌラヌラとスライスできます。
ただし今まで味わったことのない不思議な感触です。
研ぎでトコトンまで仕上げているのか、切れ味は「ズバズバ」とあたりかまわず食い込で噛みつくような刃の鋭さではありません。もっと遥かに上品で滑らかに吸いつくようなキレ味です。ここら辺の切れ味の違いは、多分砥石と砥ぎ方による仕上げの違いだと思います。お造りの断面のツヤにこだわる刺身や、野菜を切たり刻んだりした時の断面の角の食感を楽しみたい場合は、このような徹底した仕上げの切れ味だと最高です。ただし油分の多い皮の付いた鳥肉などを切り分ける場合は、もっと荒いというか中仕上げ程度の、目に見えないギザギサが少し残るような荒い砥ぎ方の方がかえって切りやすいかもしれません。両刃洋包丁の白紙鋼ならではの切れ味の感覚も加味されているでしょう。刃の形状、鋼材、砥石、砥ぎ方、仕上げ方…。これは無限のような組み合わせで、奥深いものがあります。刺身を綺麗に引く技術のある方は、違いが判るからこそ良い砥石も欲しくなるわけですね。

初の砥石屋さん体験でしたが、色々と勉強になり、満足な包丁購入記となりました。
合羽橋に堺の包丁を買いに行かれる方は、こちらの「坂井砥石」さんも思い出して立ち寄ってみてはいかがでしょうか。包丁は砥いでから使う物ですから、砥石店で包丁を買ってビシッと仕上げてもらうのも一考ですよ。包丁に自分の名前をトンカン彫ってくれるサービスなんかより、こちらの砥石店ような刃をしっかり仕上げてくれるサービスの方が数段お得です。 

堺北辰 (伝統工芸士 池田美和) の包丁を買う。動画アリ。最高の職人技・おすすめの堺打刃物ですが、切れすぎてちょっと怖いかも。

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伝統工芸 青山スクエアで「堺北辰」の出刃包丁を買う

堺打刃物の水本焼き包丁で有名な伝統工芸士の方が伝統工芸・青山スクエアで個展を開いていたので行ってきました。大阪は堺市にある池田鍛錬所の池田美和(いけだよしかず)さん。かねがね良い包丁が欲しいなと思っており、京都の有次にでも行ってみようかと思案していたのですが、遠いし、お金かかるしで、二の足踏んでいました。幸いなことに東京でこのような催しがあると知り、満開になった都内の桜を楽しむドライブがてら、愛車を走らせて伺ってきました。

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会場は1階正面玄関入り口を入ったすぐ横にありました。
池田さんの作られた40本程の包丁の展示と、名入れ&研ぎ方の体験教室が開催されていました。物見遊山で来た訳でもなく、せっかくの機会なので砥ぎ体験に参加し、出刃包丁を一本買ってきました。

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如何ですか?これぞザ・おとこの包丁って感じです

出刃、刃渡り150mmの片刃。家庭用としては最も標準的なサイズです。
高級和包丁の素材ではおなじみの安来鋼白紙と軟鉄を張り合わせて使った霞包丁(合わせ包丁)と言われるものです。柄は朴の八角で角巻は水牛。

刻印銘の「堺北辰」は伝統工芸士・池田美和さんが作った包丁の専用登録銘です。由来は聞きませんでしたが、北辰と言えば剣術の流派「北辰一刀流」でしょうか。坂本竜馬、そして山南敬助伊東甲子太郎新撰組の面々が北辰一刀流。激動の幕末の志士たちのイメージが重なります。包丁に刻まれた文字の座りも良くて、素敵で格好良い銘です。ちなみに砥ぎの体験教室に参加すると教材用の小ぶりな和包丁(和ペティ/黒打ち/160mm)を1本もらえるので、都合2本の包丁をゲットしてきました。

試し切りしてみました。こちらの動画をご覧ください 

百聞は一見にしかず、です。
試し切りをしてみました。とにかくキレキレでちょっと怖いぐらいです。
猫に小判、豚に真珠なのは重々承知です。
腕前については素人なので批評はご勘弁くださいw

一番最初の黒打ち和ペティ包丁は、伝統工芸士の池田さんに砥ぎ方を習いながら一緒に砥ぎ、最後に仕上げまでしてもらったものです。この包丁は砥ぎ教室で教材用に使う物で、参加すればそのまま貰えます。高級な柄や角巻こそ付いてませんが、包丁そのものは絶句しそうなキレ味です。ホームセンターあたりで売っている安物ペティナイフとはモノが違います。砥ぎ教室は受講料が5,000円ですが、この和ペティ包丁も込みの料金なのです。砥ぎ方を色々と教わったうえに、さらに包丁も一本貰えるのですから、参加しないほうが道理に合いません。しかもその包丁は「本来ならもう少し良い柄をつけて倍の値段で売るようなもの使ってますからコレが一番お得だったりしますよ」とのこと。刃渡り160mmで名前こそ和ペティとなっていますが、普通のペティより二回りぐらい大きくてミニ柳刃といった雰囲気すらあります。多分これ1本で肉・魚・野菜・果物まで、一般的な家庭調理なら9分9厘こなせると思います。

堺北辰の出刃包丁は箱出しのままで切ってます。
一切砥いでない状態ですから、プロが言う所の本刃付けをしていてません。それでもこの切れ味です。安来鋼白紙なので砥ぎ屋さんでしっかり砥いでもらったら、どのぐらい切れ味が増すのか楽しみです 。刃の峰の厚さがたっぷり8mmぐらいあってズッシリと重いです。試しに鯛、金目鯛、黒ソイ、大き目の鯵をこの包丁で捌いてみましたが、楽しくて「もっと魚もってこい」な気分になります。スーパーで売っているようなサイズの魚なら、この出刃で捌けないモノはないですね (小さい魚は小出刃があるといいかな)。

さてここで、伝統工芸士の包丁を使ってみて、大きな問題が浮かび上がりました。
それは、どんなに良い包丁があっても、使う人間の腕前が下手くそだと、魚は上手に捌けない、ということですw。

八角型の柄が好き

そもそも購入を検討していたのが出刃150mm、予算的にも白紙の霞包丁ということで、選択肢はなく、ズバリこれ1本でした。特に深く考えることもなく手に取って、そのままレジへ持って行きしました。帰宅して、箱を開封し、満足げに眺めていたら、あることに気が付きました。

あっ、この包丁、柄がちゃんと八角形になってるじゃん! 
本職の方が持っている高価な包丁みたい (ニヤリ) 

そういえば展示されていた包丁はみんなこの形だったなぁと、スマホで撮った写真を見返して思い出しました。会場に置かれた包丁は、かわいい形をした「おさかな包丁」以外、みんな柄が八角形のものばかりでした。展示会場で実物を手にした時には、柄の形など全く気にも留めていませんでした。ただ、改めて包丁を手にしてみると、やはりこの八角形はとても握り易すく、見た目も綺麗で、木の材質もしっとりと高級感があります。すっかり気に入ってしまいました。

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ネットで包丁を少し調べてみましたが、和包丁の柄の型は小判型(楕円)、栗型(しのぎ)、八角型、半円六角型などがあるようです。良い包丁になるほど八角型の柄が付いていました。しかし白紙の霞包丁で八角の柄が付いたものは少ないようで、小判型の柄が付いたものばかりです。八角柄が付いているのは白紙よりさらに硬く長切れする高価な青紙の鋼材を使った包丁ばかりでした。

池田さんの包丁は霞の白紙でも高級感のある美しい水牛八角柄が付いていました。良い商品というのは値段に関係なく細部まで正しく体裁が整えてあるもので、それが結果として機能美となって表れます。だから「伝統工芸品」足りえるのだと思います。商品の工法・材質・グレードetcのヒエラルキーに囚われず、変にコストカットしてないところに好感が持てます。柄の部分は実際に人の手が触れる部分ですから、見た目はもちろん、手になじんで握りやすい形にも拘りたいところですよね。今回は、ちゃんと八角の柄が付いた包丁を選んだほうがいいな、と学びました。

堺の刃物の大半は分業制で製造されているそうで、「鍛冶」・「砥ぎ(刃付け)」・「柄付け」・「名入れ」の各職人さんたちが別々で作業を行います。4人の職人さんの手(4つの工場・会社)を1本の包丁が渡り歩き完成していくわけです。たとえ上級の工法・鋼材を使っていなくとも、柄がしっかりしたものが付いているとすれば、それは刃の方も、鍛冶・刃付けの段階で間違いなくしっかり作られた包丁のハズです。

水本焼きの伝統工芸士

和包丁は「本焼き包丁」と「霞包丁」に大別されます。本焼きとは刃の全てが単一の鋼(はがね)だけで作られているものを指します。一方の霞は、鋼と軟鉄を合わせて作られる包丁です。本焼きは製作工程で「水焼」と「油焼」に分かれています。炉で熱して赤くなっているアツアツの鋼をジューッと冷やすわけですが、私のような素人は全て水で冷やしていると勘違いしてました。油を利用した油焼きというのもあるらしいです。

高級和包丁に使われる鋼は主に日立金属の安来鋼で、種類は白紙と青紙。白紙は純粋な炭素鋼。青紙はタングステンとクロムを白紙に添加する合金鋼。青紙は白紙より硬いので切れが持続(長切れ)します。鍛冶屋さんも焼き入れしやすいそうです。ただし脆くて刃欠けしやすい。硬いのですが砥ぎ易く、価格は1.5倍ほど高くなる。柔らかいものを鋭く大量に切り、砥ぎも上手にでき、多少コスト高になってもかまわない、本職用の刺身包丁などにに向いています。白紙は青紙より安価で柔らかく、砥ぎやすく良い刃がつけやすいので、良く仕立てると鋭くカミソリのような切れになる。が青紙ほど切れは持続しない。また焼き入れも難しいので打てる人が限られてくる。それぞれ特徴があるようです。魚の骨とか硬いものをバキッとやるなど手荒いことにも使う出刃は刃欠けしにくい柔らかい白紙のほうが適してると思います。

安来鋼白紙の鋼材で水本焼き包丁を作るのはとても難しいそうで、伝統工芸士の池田美和さん
はその「水本焼き包丁」づくりの名匠だそうです。インターネットでもその評判を拝見することができます。このような特殊な技工を持つ方は全国でも数少なく、現在では良い水本焼き包丁はわずか数名の限られた方しか作れないようです。池田さんの作った安来鋼白紙の本焼き柳刃包丁をネットで見たら10万円を軽~く超えるようなお値段が付いてました。伝統工芸スクエアの会場にも高価な包丁が展示されていました。板場に立つお寿司屋の板前さんとか割烹の本職のみなさん方はこういうものを使うのでしょうね。

伝統工芸 青山スクエア より
池田さんの仕事が伝統工芸の公式サイトで紹介されています。

手技TEWAZA「堺打刃物」Japan Sakai Forged Knife

他の和包丁も欲しい!

寿司職人でもない私には水本焼き包丁など不要なので、霞の出刃包丁を買いましたが、それでも日本有数の伝統工芸士が作っている高品質・高性能な和包丁に変わりはありません。料理の腕前から言って分不相応な包丁かもしれません。しかし下手くそなりにガシガシ砥いでバンバン使いたいと思います。この手の物を買うとつい「一生モノ」とかケチ臭いこと言ってしまいそうですが、ダメになったらまた買えばよいのです。包丁一本で30年も40年も使われたら堺の刃物屋さんは商売あがったりです。ガンガン使って、ガシガシ砥いで、古くなったらジャンジャン買い替えて、刃物職人さんたちの売り上げに貢献したほうが良いのです。売れてナンボ、そうでなければ連綿と続いた伝統工芸の技なんて伝承されません。

世のオジサン達のたまにしか使わないゴルフクラブや釣竿、あるいは大して役に立っていないオバサン達の化粧品やアンチエイジング商品などと比較すれば、毎日のように使う包丁は多少値が張ったとしても本当はお安いものなのです。たまにしかいかないゴルフで、ろくに入りもしない3万円のパター買うなら、伝統工芸士の方が作った和包丁を買った方がはるかに世のため人のため、と反省しきりの包丁購入記とあいなりました。

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池田さんはこの「お魚包丁」シリーズでも有名です。NHKで紹介されて注文が殺到した包丁のようです。インターネットで取り扱っている刃物屋さんも散見されますが、どこも売り切れです。会場には全種類ちゃんとありました。肉好きな私としては、魚はあるのに、なぜ鶏や豚や牛は無いんですか、とツッこもうかと思いましたが黙ってましたw。

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会場では柳刃、薄刃、牛刀、三得包丁なども手にしてみました。我が家ではここ十数年間、1本のグレステンの牛刀210mmが八面六臂の活躍を見せていましたが、こうして見るとやはり用途別に柳や薄刃などを揃えたくなりますね。

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白紙3号の本焼き柳刃包丁が75,000円。これで刺身切ったら美味しいのだろうか…。
ん? お前の腕前じゃせっかくの包丁も魚も台無しってかw

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青紙スーパー鋼の出刃。久次作という刻銘が入ってます。以前は「久次」という名前も使っていたそうですが、堺北辰に統一したそうです。

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鋼を幾重にも重ねて生み出される模様がきれいな「墨流し」包丁。ステンレス製ならダマスカス鋼なんていう名前がついたりします。所有欲を掻き立てる不思議な魅力があります。海外でも人気があるようです。

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私のような庶民のために家庭用包丁だってありますw。
とは言いつつも2万円を超えるような価格が多いです。無駄遣い減らせばなんとかw。
包丁は安来鋼の種類によって性能や価格が変わります。青紙→白紙→黄紙の順で耐摩耗性、つまり切れの持続性が下がります。一番「長切れ」するのは硬度が高い青紙。お値段も高くなります。ただし硬いので脆く欠け易いそうです。白紙は青紙よりは柔らかくて鋭く切れるけど青紙ほど長切れしないとのこと。用途に合わせて選んだ方がよさそうです。

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青山スクエアでは、常設で池田さんの堺北辰をはじめ堺打刃物の伝統工芸士の手による包丁が販売されています。210mmの牛刀が手ごろな価格で売っていたのですが、我が家のグレステン牛刀がまだ元気なので見送りました。

今回の展示で一番気になったのが写真の一番右端に写っている関西型の鎌形薄刃包丁195mm。関東ではあまり見かけない形です。安来鋼白紙2号で柄もちゃんと八角タイプが付いて理想的です。程よい重さで手に吸い付くような感覚でした。せっかくなので買っておけばよかったかなと思いつつも、楽しみは次の機会に取っておくことしましょう。

スイス Spring (スプリング) のクリスタルを探せ。鍋・ソテーパンはどこだ!

お題「愛用しているもの」

無水調理できるスイス製の全面5層構造ステンレス・フライパン

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スイスのスプリング社のクリスタル・24cmソテーパンを愛用しています。
ピカピカに光り輝くステンレス製の5層構造フライパン(ソテーパン)です。
お持ちの方はわかると思いますが、フタがすべるようにクルクルと回る、無水調理のできるフライパンです。

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日本ではフィスラーやビタクラフトほどの知名度はなく馴染みの薄いブランドかもしれませんが、スプリング社の「クリスタル」シリーズは30年以上に渡って世界中でロングセールスが続いています。その名のとおり躯体はステンレスの鏡面ミラー仕上げになっており、両手鍋、片手鍋、ソースパンなどがラインナップされています。作りは外と内からステンレス鋼でアルミ合金3層コアを挟んだ全面5層構造です。

残念なことに現在は日本国内での正規代理店による輸入販売は終了しています。
そのため海外サイトから個人購入するか、未使用品在庫を国内で探すしかありません。以前はキッチン用品商社の業界最大手「中山福株式会社」がスプリングの製品を扱っていました。一時期ウェッジウッドからWEDGWOOD by Spring Cristal(ウェッジウッド バイ スプリング クリスタル)という名でも販売されていましたので、このシリーズの製品を手にしてファンになった方も多いようです。今でもスプリングの鍋を探している人は少なくないと思います。

今すぐ持って帰らないと気が済まない

このフライパンは一見しただけで、その場で即断即決・即買いしました。
なんの予備知識もなく、初見で突然の衝動買いです。
機能とか一切考慮なし。
今我が家にいくつフライパンが転がってると思ってるんだよ、の自問もなし。

とにかくこれは今すぐ持って帰らないと気が済まない!

その圧倒的な美しさに一発でやられたわけです。
シンプルさを極限まで突き詰めたデザイン。
故に放たれる18クロム鋼の眩い輝き。
一度手に持ってみたら…。
もう手から柄が離れません。
ケタ違いの存在感。

美しく、
眩しく、
無駄がなく、
デカく、
そして重い。

サイズ表示24cmとなっていますが、本体側面が垂直に立ち上がっているデザインなので底面積が広大。また外径が蓋を乗せるため若干外に広がっているので、真上から見ると28cmサイズのフライパンクラス。巨大なステーキも2~3枚いっぺんに「かかってこいや」です。
重さも半端ないです。蓋込みで1.6Kgもあります。
そこへ食材が入りますから、正直なところ女性にはちょっと無理かなという重さです。手にすると鋳鉄製のようにずっしりと重さが伝わってきます。
フィスラーやWMFやクリステルなどの鍋底の部分だけの「なんちゃって多層構造」製品とは重さが決定的に違います。側面もしっかり5層構造ですから当然その分重くなります。
あまりの存在感に若干怯み後ずさりしそうになりましたが、いま在庫は1つだけなんですと言われ「す、すいません、これ包んで下さい」となりました。

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機能は至れり尽くせり 

シンプルを極めた外観と相反して、機能の方はてんこ盛りの完全フル装備。

・本体とフタが密着、ウォーターシール効果で無水調理が可
・肉類は無油調理が可
・全熱源に対応
・オーブンにそまま入れて調理
・食洗機も可
・熱伝導と保温性に優れる全面多層構造
・耐久性に優れ、錆にも強い

一番外側のピカピカ部分はステンレス18-0クロム鋼(SUS430)の鏡面仕上げ。18-0は18-8ステンレス(S304)よりやや耐食性で劣るものの18-8より熱伝導に優れます。また18-0は磁石がくっつく性質から電磁調理器IHヒーターには最適な素材です。コアは熱伝導の良い全面3層アルミニウム。調理面となる内側には18-8ステンレス(S304)を使っていますので耐食性にも優れています。全熱源対応のステンレス製品としてはよく考え抜かれた理想的な多層構造です。

回って回って回って回~る♪

高さが6cmぐらいあるので麺類を茹でるのにも重宝しています(満タン2.7L)。
茹で物では鍋を殆ど使わなくなりました。
面積が広いのでパスタ2人前ぐらいなら十分これでまかなえます。

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お湯が沸騰したらパスタを入れて蓋をします。
蒸気が出てきたら、蓋を本体の上でクルクルと回します。
すると、蓋がすべるように回ります。
(これをやるのが楽しくて何度もクルクルしてしまいます)
これで蓋と本体の間にウォーターシールを作って密封しているわけです。
クルクルしたらすぐに火を止めて放置すれば余熱調理。パスタの包装に書いてある茹で時間が過ぎたら蓋を空けるとあら不思議、パスタがしっかり茹であがってます。
熱伝導が良いのでお湯はすぐに沸くし、沸騰したらすぐ火を消してしまうのでガス代も大幅カットできます。

ステンレスのフライパン。ごひりつく?こびりつかない?

でも良いことばかりではありません。
避けられない問題があります。
ステンレス製は食材がべったりと「こびりつく」危険があります。
購入する際にはやはり一瞬頭をよぎりました。
が、実際のところはそうでもありません。
ネットで調べればこびりつかない方法がわんさと出ています。
道理を理解し、手順をルーティン化してしまえば、ステンレスのフライパンだって簡単に使いこなせるわけです。

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・中火で予熱開始
・水滴たらして玉になってコロコロ転がれば熱完了
・油を投入して底全体に広げ、さらに油から煙がうっすら出始めるまで加熱
・一旦温度を下げて油をならすため、濡れ布巾に乗せてジューッ(15~30秒)
 (ジューッの秒数は調理法や具材によって調整)
・具材によって、弱火~中火で、希望する温度にしてから調理開始
 (ステーキ肉は焼き方や肉の厚みで変えてます)

上記のように使い方をマスターし快適に使えるようになりました。
焼きそばのようにこびりつき必至の料理でさえ、上手に予熱と油ならしができればツルツルとフライパンの上をすべらせて焼くことができるようになります。
温度を冷ますジューッの秒数ですが、目玉焼きは20秒ぐらい→弱火。ホットケーキを焼くときは30秒~45秒ぐらいしっかり冷ます→とろ火。チャーハンは油温を高くして卵と混ぜたいのでジューッを15秒ぐらい→中火で再びしっかり予熱してから卵投入。肉は厚さや焼き方によって再加熱の時間と火力を調節してます。上手にできるようになるとうれしいものです。油をドバドバ入れなくても全然こびりつきません。
※デカイし重いし形状が適していないけど、オムレツも綺麗に作れます

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写真のようにチーズリゾットなんかしっとり作れます。

Spring社の製品は性能とデザインの両方が良くて魅力的です。
本体がステンレスのピカピカ系は「Clystal」シリーズ
ヘアライン加工のマット系は「Brigade Premium」シリーズ
「Culinox」という古くから続く銅製のシリーズもあります。

そろそろ買い替えが必要な両手鍋があり、スプリングの鍋を物色したいのですが、日本で在庫を持っているお店はそう簡単に見つからないと思っています。近所のリサイクルショップで16cmの未使用片手鍋が売っているので買おうかどうか悩んでます。
でも本当は20cmクラスの両手が欲しいので我慢してます。
とにかく、果報は寝て待て、ですから。
故人の言葉を信じて、いまは動かず。
いざとなれば海外のサイトから買えますし。
Spring社は1946年創業で、海外サイトだと銅のビンテージ中古なんかも結構出回っているので、そんなものを検討するのも一手かもしれません。
もしSpringの鍋やパンを見つけたら買っておくと損はないですよ。